三叉神経・自律神経性頭痛 | 福岡の脳神経外科 - はしぐち脳神経クリニック

三叉神経・自律神経性頭痛

Trigeminal Autonomic Cephalalgia (TACs)

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三叉神経・自律神経性頭痛

三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)には、

・群発頭痛

・発作性片側頭痛

・短時間持続性片側神経痛様頭痛発作(SUNCT/SUNA)

・持続性片側頭痛

が含まれます。

 

TACsに共通の特徴として、以下の事柄が挙げられます。

・TACsにおける頭痛は通常、「片側」である。

・頭痛と同じ側の著しい副交感神経の「自律神経症状」を伴う。

 

ここでいう「自律神経症状」とは、以下のようなものを指します。

・結膜充血

・流涙

・鼻水、鼻づまり

・眼瞼浮腫

・前額部および顔面の発汗や紅潮

・縮瞳

・眼瞼下垂

・耳閉感

など

 

TACsに含まれるそれぞれの頭痛では、1日の発作回数や発作の持続時間が異なります。

 

TACsのうち、発作性片側頭痛と持続性片側頭痛は、インドメタシンという鎮痛剤が有用な、いわゆる「インドメタシン反応性頭痛」に該当します。 インドメタシンへの反応性を確認することが診断においても重要です。

 

TACsに含まれる4つの頭痛の特徴

群発頭痛 発作性片側頭痛 SUNCT/SUNA 持続性片側頭痛
男女比(男:女)  3:1 男女差なし(女性に多いという報告も) 1.3:1 1:3
発症年齢 20~40歳 主に成人 主に成人 主に40代
有病率 1/1000人 1/50,000人
罹病期間 数週~数カ月 7日~時に1年以上 3カ月以上
痛みの性状 穿刺様、

えぐるような

拍動性、穿刺様、

えぐるような

穿刺性、電撃痛、

「ズキッ」、

「ビリッ」

持続性鈍痛
強度 重度~激烈 重度 中等度~重度 中等度~重度
部位 眼窩、眼窩上部、側頭部 眼窩、眼窩上部、側頭部 眼窩、眼窩上部、側頭部 眼窩、側頭部
発作頻度 0.5-8回/日 数回以上/日 1回以上(~200回)/日 持続性
持続時間 15-180分 2-30分 1秒-10分 数時間~数日(強い発作を伴う)
自律神経症状 あり あり あり あり
飲酒による誘発 70-80% 少ない なし あり
睡眠中の発作 一般的にあり あり なし あり
インドメタシン反応性 限定的 全例で著効 限定的 全例で著効