その他の症状・病気をみる | 福岡の脳神経外科 - はしぐち脳神経クリニック

その他の症状・病気をみる

Other symptoms and diseases

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神経の症状

見え方の異常

 

見え方の異常には、視力の低下のほか、視界が狭くなるものがダブって見えるなどがあります。

見え方の異常の多くは眼球の中の病気であり、それは眼科の病気です。一方、脳や神経の異常が見え方の異常の原因となることがあります。代表的なものに、脳腫瘍や頭蓋内の外傷、脳血管の病気などがあります。

視力の低下

視神経の障害が原因で生じることがあります。視神経は、目と脳をつなぐ神経です。視神経の病気には、視神経炎虚血性視神経症眼窩内腫瘍脳腫瘍下垂体腺腫など)、頭部の外傷頭蓋底骨折)などどがあります。

視野の障害

視神経もしくは脳の視路の障害で起こります。上記の視力低下を起こす病気に加え、脳梗塞脳出血なども原因になります。

両目で見たときにものがダブって見える

眼球を動かす筋肉や神経(動眼神経・滑車神経・滑車神経)の障害の可能性があります。脳動脈瘤糖尿病重症筋無力症頭部の外傷脳腫瘍脳梗塞脳出血甲状腺眼症ギラン・バレー症候群海綿静脈洞部の炎症や血管障害などが原因として挙げられます。脳動脈瘤に伴う場合は破裂の前兆とされ、極めて緊急性の高い状態です。

 

 

 

聴覚の異常

 

聴力の異常には主に、聴力低下耳鳴りがあります。

多くは耳鼻科の病気ですが、一部に脳や神経の病気のことがあります。関連する脳や神経の病気として、聴神経腫瘍やその他の脳腫瘍、脳幹の脳梗塞脳出血などが原因となることもあります。

特に片側の聴力障害で、耳鼻科で治療を受けても改善しない場合には、脳の検査を受けることをお勧めします。

 

 

 

嗅覚の低下

 

嗅覚低下は主に耳鼻咽喉科で取り扱われる病気です。ただ、一部に嗅神経の病気が原因のことがあります。頭部外傷脳腫瘍などです。その他、脳卒中パーキンソン病レビー小体型認知症アルツハイマー型認知症などでも嗅覚障害を伴うことがあります。

 

 

 

顔の歪み・ぴくつき・しびれ・痛み

 

顔面の主な筋肉の動きに関わる神経は、顔面神経と呼ばれています。

顔面の感覚をつかさどる神経は、三叉神経と呼ばれています。

顔面の歪み

主な原因として、脳の病気や顔面神経の病気があります。最も多いのはベル麻痺と呼ばれるものです。ベル麻痺の原因としてはウイルスによる炎症などが考えられます。その他の顔面神経の障害として、稀なことですが、顔面神経を巻き込む腫瘍真珠腫などがあります。脳の病気では、脳梗塞の発症直後や脳腫瘍などで顔面麻痺を伴うこともあります。

顔面(特に目の周り、口の周り)の筋肉のぴくつき

原因には、片側顔面けいれん眼瞼痙攣メージュ症候群眼瞼ミオキミーチック局所性皮質けいれん麻痺後顔面けいれんなどが挙げられます。

顔面のしびれ・痛み

顔面の病変もしくは三叉神経の病変を疑います。原因としては、三叉神経痛、三叉神経を巻き込む腫瘍炎症副鼻腔炎(蓄膿症)、顎関節由来の痛み、側頭動脈炎持続性特発性顔面痛などが挙げられます。

 

 

 

味覚の障害

 

味覚の異常は、舌の病気や栄養障害(亜鉛欠乏)、風邪体調不良で起こります。

脳に原因があることは稀ですが、顔面神経が障害を受けると味覚が鈍くなる可能性があります。味覚障害を起こしえる脳神経の病気として、脳梗塞脳出血聴神経腫瘍、重症の頭部外傷末梢性顔面神経麻痺などが挙げられます。その他、貧血胃腸系の病気肝不全慢性腎不全糖尿病舌炎ドライマウス(口腔内乾燥症;シェーグレン症候群など)、薬剤性などが原因となります。

 

 

 

嚥下の障害

 

嚥下障害の原因として最も多いのは、脳卒中脳梗塞脳出血など)です。脳卒中になると、手足の麻痺のみならず嚥下に関わる咽頭のあたりを動かす機能も麻痺してしまい、誤嚥を起こしやすくなります。

また、嚥下に関わる舌咽神経・迷走神経という2つの神経を巻き込んだ腫瘍や各種の神経疾患や筋疾患、このあたりの手術の後にも起こりやすくなります。

その他、身体能力の低下した高齢者では、嚥下機能が低下します。

症状経過の聞き取りに加え、血液検査やMRIが有用です。

 

 

 

言語の障害

 

言語の障害には言語理解や言語化の障害(失語症)と、言語発声の障害(構音障害)に大別できます。失語症は、言語機能に関わる脳の障害であり、構音障害は舌や口に関わる運動機能の障害です。

失語症の原因としては、脳腫瘍頭部外傷脳出血脳梗塞などがあります。構音障害の原因としては、これらに加え、筋委縮性側索硬化症ギラン・バレー症候群多発性硬化症重症筋無力症、脳神経外科手術後などがあります。

MRIで原因を調べる必要があります。

 

 

 

手足の震え

 

手足が勝手に震える病気には、パーキンソン病本態性振戦老人性振戦ジストニア薬剤性甲状腺機能亢進症アルコールの離脱症状のものなど、一過性のものとしててんかんなどがあります。

治療の柱は主に薬ですが、原因によりさまざまです。手術が有効なものもあります。

 

 

 

意識消失・記憶障害

 

脳に起因する一過性の意識消失の原因には、てんかんや一部の脳卒中があります。脳の病気と区別すべき病気として、神経調節性失神起立性低血圧不整脈心因性非てんかん発作などがあります。

一時的な記憶障害の原因として、一過性全健忘があり、てんかんや脳卒中との見極めが重要です。

意識消失の鑑別には脳のMRI、脳波、心電図、血液検査、血圧検査などが必要です。

 

 

 

神経の病気

 

ベル麻痺(末梢性顔面神経麻痺)

 

左右のうち片方の顔面の動きが急に麻痺する病気です。ある日突然、「片方の口からこぼれるようになった」、「鏡を見ると顔が歪んでいた」と、病院を受診されます。

ウイルス感染に伴う炎症が原因と言われています。このうち、水痘・帯状疱疹ウイルスに伴うものをラムゼイ・ハント症候群(ハント症候群)と呼び、同じ側の耳のあたりの痛みや水疱を伴うこともあり、麻痺も強くなります。

通常、ステロイド、抗ウイルス薬、末梢神経障害改善薬を組み合わせて治療を行います。

多くの方は3カ月から、早くて1か月程度で改善しますが、一部には後遺症が残る方がいます。

 

 

 

片側顔面けいれん

 

左右のうち片方の目の周囲がピクピクと痙攣する病気です。進行すると口の周りや頬、額や頚部にまで痙攣が広がります。ストレスや緊張により痙攣が悪化します。

原因は、目や口の周りの筋肉の支配神経である顔面神経の根本(脳から出たところ)に脳周囲を走る血管が接触して圧迫されることです。稀に、腫瘍が原因のこともあります。

特殊な方法のMRIを行うと、神経と血管の接触の状況を把握することができます。

治療として、内服薬による薬物療法、ボトックス治療(ボツリヌス菌毒素を注射する方法)や外科手術などがあります。

 

 

 

三叉神経痛(顔面の痛み)

 

顔面の同じ部位に電撃痛が繰り返し生じる病気です。典型的には、痛みは瞬間的ですが、激痛です。歯磨きや洗顔、食事、会話などに伴い、痛みが誘発されることがあります。

顔面の感覚神経である三叉神経に、脳の周辺を走行する血管が接触して圧迫を受けることが原因です。特殊な方法のMRIを行うと、神経と血管の接触の状況を把握することができます。

治療として、内服薬、ブロック注射、放射線治療(ガンマナイフ)、外科手術があります。内服薬はよく効くのですが、効果不十分な場合や副作用のため続けることができない場合には他の治療法を選択します。

 

 

 

脳腫瘍

 

脳腫瘍とは、脳と、脳が入っている頭がい骨の中から発生する腫瘍の総称です。一言に「脳腫瘍」といってもその発生源や性格は極めて多様です。

脳腫瘍を大別すると、脳から発生する腫瘍と脳以外から発生する腫瘍に分類できます。

症状には脳腫瘍の発生部位によるものとそうでないものがあります。前者には麻痺や言語障害、視力や聴力の障害などがあります。後者には頭痛やてんかん発作などがあります。

脳から発生する腫瘍

主なものに、神経組織から発生するグリオーマの他、悪性リンパ腫転移性脳腫瘍(癌の脳転移)などがあります。グリオーマには多様な性格のものがありますが、大部分は悪性の性格を有します。

脳から発生する腫瘍の治療には、手術に加えて放射線や抗がん剤治療を併用することが多いと言えます。

脳以外から発生する腫瘍

代表的なものに、以下のものがあります。

  • 髄膜腫:脳を覆う髄膜から発生する腫瘍。大多数は良性だが、部位によっては治療が難しいこともある。最も多い。
  • 神経鞘腫:脳から出た末梢神経から発生する良性腫瘍。深いところにあるため手術は簡単ではない。
  • 下垂体腺腫:脳下垂体から発生する。ホルモンを分泌して症状を出す腫瘍と、そうでない腫瘍がある。後者では、視神経を圧迫して視力低下をきたす。鼻の穴からの手術が一般的。
  • 頭蓋咽頭腫:脳下垂体近傍から発生する腫瘍で、ゆっくり大きくなるが再発も少なくない。
  • 胚細胞腫瘍:脳下垂体付近と松果体付近から発生することが多い。未熟な細胞からなる悪性腫瘍だが、放射線と抗がん剤を組み合わせた治療の進歩により、緩解状態に持ち込めるケースも多い。

 

 

 

パーキンソン病

 

手足の震え(振戦)、動作が遅くなる(無動・寡動)、カラダや手足の筋肉のこわばり(筋強剛)、体のバランスがとりにくくなる(姿勢反射障害)を特徴とする病気です。

無表情になり、姿勢は前かがみになり、小股なすり足歩行になります。

初期症状として、嗅覚低下や便秘、睡眠時の行動異常などを伴うことがあります。

ドーパミン製剤を中心とした薬物治療に反応して症状は改善しますが、徐々に進行します。

 

 

 

振戦(本態性振戦)

 

明らかな原因がないにもかかわらず手が震えるようになる病気です。手の震えのため、文字が書きづらくなります。40代以降では4%程度の有病率で、高齢になるほど増えます。

薬物治療に反応して症状が改善するケースが少なくなりません。

 

 

 

睡眠障害・不眠症

 

眠れない状態を不眠症、眠りすぎてしまう状態を過眠症と呼びます。その他、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害、レム睡眠行動異常などがあります。

不眠症に対する治療

不眠に対する治療の第一歩は、環境の整備生活習慣の見直しです。それでも十分な睡眠が得られない場合には薬による治療を行います。

いわゆる睡眠導入剤には、古くからあるベンゾジアゼピン系睡眠薬のほか、オレキシン受容体拮抗薬メラトニン受容体作動薬などがあります。

最も一般的な睡眠薬であるベンゾジアゼピン系睡眠薬は効果が強く、患者満足度も高いのですが、常用すると依存性が出てきて長期的には脳機能低下につながる危険性があります。この中には、マイスリー(ゾルピデム)、レンドルミン(ブロチゾラム)、ハルシオン(トリアゾラム)、サイレース(フルニトラゼパム)などの多くの睡眠薬が含まれます。

近年では、オレキシン受容体拮抗薬の開発が進み、現在は2種類のオレキシン受容体拮抗薬が上市されています。ベンゾジアゼピン系睡眠薬とは異なり依存性がないとされ、不眠症を克服し、薬を飲まないでもいい生活に戻りたい方にはお勧めしています。

メラトニン受容体作動薬は、睡眠と覚醒のリズムを整える薬です。軽度の不眠症の方、高齢者、若年者の睡眠障害を中心に用いています。

その他、漢方薬や一種の抗うつ薬を併用もしくは単独で使用すると、睡眠の改善が得られることもあります。

むずむず脚症候群

主に就寝中を中心に、下半身などがむずむずして落ち着かず、就寝時に寝付けなかったり、夜中に目が覚めて眠れなくなる病気です。

ドーパミン受容体作動薬や抗てんかん薬を用いて治療します。

周期性四肢運動障害

睡眠中に下肢や上肢が動く病気です。本人はこの動きとその後の短時間の覚醒を自覚しません。むずむず脚症候群と同様、ドーパミン受容体作動薬や抗てんかん薬が有効な場合があります。貧血を伴う場合があり、この場合には貧血の治療を並行して行います。

レム睡眠行動障害

睡眠中に突然大声を出したり、暴れたりする病気です。悪夢を見ている場合がほとんどです。

レビー小体型認知症やパーキンソン病の前駆症状である場合があります。

抗てんかん薬の一種が症状改善に有効なことがあります。

 

 

 

睡眠時無呼吸症候群

 

寝ている間に時々、呼吸が止まっている場合には疑いがあります。いびきをかく方に多いものです。

夜中に何度も目が覚めたり、寝汗をかいたりします。起床時には頭痛や眠気、集中力の低下、疲労感などを伴います。放置していると高血圧や動脈硬化になりやすくなるという報告があります。

経過から疑いがあるときには、自宅で睡眠中に検査をすることができます(簡易睡眠ポリグラフィー)。

検査結果から、軽傷の場合には睡眠時に「マウスピース」や「短期的使用鼻咽頭エアウェイ(鼻腔挿入器具)」を使います。中等度以上であれば、「CPAP療法」と呼ばれる鼻マスクを装着し、マスクにつながった機械から空気を送り込むことで呼吸を改善させ扁桃の肥大が原因で喉や気道が塞がっている場合には、耳鼻咽喉科での治療を必要とします。

 

 

 

脊椎・脊髄の病気

 

脊椎は、背骨のことです。首の骨を頚椎、肋骨がついている胸の骨を胸椎、腰の骨を腰椎と呼び、骨盤を形成するのが仙椎尾椎です。

脊髄は、脳から繋がっている中枢神経であり、背骨に囲まれています。脊髄も頚髄胸髄腰髄仙髄に分かれています(尾髄は退化しています)。脊髄からは左右に31対の末梢神経が出ています。

頚椎・頚髄の病気では主に上肢のしびれや脱力が出ますが、下肢のしびれや脱力を伴うこともあります。一方、腰椎の病気では上肢の症状が出ることはなく、下肢のしびれや脱力、排便・排尿障害などが現れます。

脊髄の病気の診断には、MRIが最も有効です。レントゲン検査では異常がないとき、またレントゲン検査で異常を指摘され、精密検査が必要な時にはMRIが必要です。

頚椎の病気

頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症、後縦靭帯骨化症、転移性腫瘍など

腰椎の病気

腰椎椎間板ヘルニア、腰椎すべり症、腰部脊柱管狭窄症、椎体骨折、転移性腫瘍、二分脊椎など

脊髄の病気

脊髄腫瘍、脊髄動静脈瘻、外傷性脊髄損傷、脊髄空洞症など

 

 

 

水頭症

 

水頭症は、脳脊髄液の流れが悪くなり、脳室(脳の奥にある脳脊髄液のたまり場)が拡大し、脳を圧迫する病気です。

主に、乳児に発生するもの、高齢者に発生するもの、その他に分けることができます。

臨床症状から疑いがあるときには、MRIやCTを行います。病状よっては追加の検査を行います。

一般的には手術が有効です。

乳児に発生するもの

先天性のもの(中脳水道狭窄症など)や、未熟児脳室内出血後のもの、脳脊髄の奇形に伴うもの(キアリ奇形など)、脳腫瘍に伴うものなどがあります。

高齢者に特有のもの

認知症の原因となることがあり、正常圧水頭症と呼ばれます。その他、歩行障害や尿失禁を伴います。

その他のもの

脳腫瘍くも膜下出血脳室内出血後に続発性の水頭症を起こすことがあります。

 

 

 

先天奇形

 

当院では、多数の治療経験から、診断や治療に関する相談や、その後の経過フォローなどを専門的に行っています。

生まれつきの脳の奇形

 

  • くも膜のう胞
  • 脳瘤
  • 頭蓋縫合早期癒合症
  • キアリ奇形
  • ダンディー・ウォーカー症候群

など

生まれつきの脊髄の奇形
  • 潜在性二分脊椎:脊髄脂肪腫など
  • 顕在性二分脊椎:脊髄髄膜瘤など