片頭痛治療薬アジョビ
- 2021年8月30日
新たな片頭痛予防薬”アジョビ”について
エムガルティ、アイモビークに続き、3種類目の片頭痛予防注射薬が使用可能になりました。
「アジョビ皮下注225mgシリンジ」
(フレマネズマブ:遺伝子組換え製剤)
承認:2021年6月23日
発売:2021年8月30日
2018年にアメリカで、2019年にヨーロッパで承認を受け、現在では世界40ヵ国以上で承認されています。
アジョビの作用機序
カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)に対するヒト化抗CGRPモノクローナル抗体です。
CGRPは脳の「神経伝達物質」の一つですが、片頭痛の原因物質と考えられています。
頭部にある「三叉神経」は、顔面や前頭部の感覚に関わる神経です。この三叉神経の末端にあるCGRP受容体に、神経伝達物質であるCGRPが結合すると、炎症や痛みが起こされます。この痛みが片頭痛と関係すると言われています。
アジョビがCGRPに結合することで、CGRPがCGRP受容体と結合できなくなり、三叉神経系の活性化を抑制し、結果的に片頭痛が抑制されると考えられています。
(大塚製薬資料より)
アジョビの対象患者さんは?
以下の患者さんが対象となります。
1.国際頭痛分類を参考に十分な診療を実施したうえで、片頭痛の診断を受けてている。
2.予防薬を内服しても、片頭痛発作が3ヶ月以上、平均4日以上起きている。
妊娠中・授乳中は、十分検討した上での慎重投与です。
18歳未満は使用できません。
アジョビの使用方法
2つの投与方法(4週間ごとに1本あるいは12週間ごとに3本皮下注射)から選択できます。
12週に1回のパターン
初回投与時に675㎎(3本)を投与(皮下注射)
その後は、12週間に1回・3本のペースで皮下注射を継続
注射部位は上腕部、腹部、大腿部のいずれかです。
3ヶ月経過した時点で効果判定を行い、継続の可否を決定します。
治療の途中で1ヶ月に 1回の投与から3ヶ月に1回の投与に変更、又は、3ヶ月に1回の投与から1ヶ月に1回の投与に変更することも可能です。
アジョビの効果
片頭痛日数及び中等度以上の頭痛日数が、初回投与1週目から減少したことが報告されています。
アジョビの副作用は?
主な副作用としては、注射部位反応(痛み、腫れ、かゆみなど)が報告されています。
アジョビの薬価は?
1本あたり39,090円です。
自己負担割合3割の方では、1回あたり約11,730円の自己負担になります。
※ 他に、初・再診料、注射処置料、お薬の処方のある方では処方せん料などが掛かります。