貨幣状頭痛
特徴は
頭皮の限局した狭い領域に慢性的な痛みを生じる頭痛です。
以下のような特徴を有します。
① くっきりとした輪郭を持つ。
② 大きさと形が一定。
③ 円形または楕円形
④ 直径が1~6㎝
痛みは頭頂部に多いですが、頭皮のどの部位にも生じるようです。
痛みの強度は、一般に軽度~中等度とされますが、重度のこともあります。
疼痛部位の皮膚には感覚の異常(鈍い感じ、異常感覚、圧痛など)などを伴います。
疼痛の持続時間は極めて多様で、持続的だったり、間欠的だったりします。3/4では3カ月以上慢性的に続くようですが、数秒、数分、数時間、数日程度などといった報告もあります。
40-50歳の女性に多いようです。
疼痛に一致した部位の局所病変が存在しない状態ことが診断の条件に含まれます。
顔面や頭部の感覚神経である”三叉神経”の終末枝に限局した一種の神経痛という考え方や、中枢性の障害という考え方があるようです。
治療は
治療薬としては、一般の鎮痛剤(NSAIDs)や抗てんかん薬であるガバペンチンや、三環系抗うつ薬などが有用との報告が多いです(ガバペンチンは頭痛に対する保険適応外です)。
その他、ノイロトロピン、プレガバリン、トリプタン(片頭痛の鎮痛薬)、各種抗てんかん薬(ラモトリギン、トピラマート、カルバマゼピン、バルプロ酸など)などの報告もありますが、効果は一定しません。
なお、海外では、ボツリヌス毒素治療も行われることがあるようです。