血漿βアミロイド42/40比検査を始めました。
- 2025年5月21日
血漿βアミロイド42/40比検査とは?
アルツハイマー型認知症(AD)の早期診断において、血漿中のβアミロイド(Aβ)42とAβ40の比率(Aβ42/40比)を測定する検査が注目されています。この比率の低下は、脳内でのアミロイドβの蓄積を反映し、ADの病理的変化を示す指標とされています。
アミロイドPET検査や脳脊髄液(CSF)βアミロイド42/40比検査が認知症や軽度認知障害の疑いの高い患者さんに対して保険適応になっていますが、これらは高額で侵襲的であるため、より簡便で非侵襲的な血液検査の開発が求められてきました。
🔬 検査の特徴と利点
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非侵襲的:採血による検査であり、患者への負担が少ない。
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高精度:最新の質量分析技術により、微量のAβ42とAβ40を高感度で測定可能。
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早期診断:症状が現れる前の段階でのADリスク評価が可能。
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コスト効率:PET検査やCSF検査に比べて低コストで実施可能。
🧪 検査の流れ
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採血:通常の血液検査と同様に、腕から血液を採取。
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分析:質量分析装置を用いて、血漿中のAβ42とAβ40の濃度を測定。
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比率計算:Aβ42の濃度をAβ40の濃度で割り、Aβ42/40比を算出。
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結果解釈:比率の低下が認められた場合、ADのリスクが高いと判断される。
🧩 他の検査との比較
検査方法 | 特徴 | 利点 | 欠点 |
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血漿Aβ42/40比 | 非侵襲的、簡便 | 早期診断、低コスト | 標準化が進行中 |
PET検査 | 脳内アミロイドの可視化 | 高精度 | 高額、放射線被曝 |
髄液検査 | 脳脊髄液中のAβ測定 | 高感度 | 侵襲的、患者負担大 |
🏥 臨床での活用例
この検査は、以下のようなケースで有用とされています:
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軽度認知障害(MCI):ADへの進行リスク評価。
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家族歴がある場合:早期のリスクスクリーニング。
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他の神経疾患との鑑別:ADと他の認知症との区別。
詳細はコチラをご覧ください。
血漿βアミロイド42/40比検査は、アルツハイマー型認知症の早期診断において、非侵襲的で高精度な手段として期待されています。