味覚の障害
味覚の神経支配
味覚を司る脳神経は、舌神経と舌咽神経です。舌神経は、顔面神経から出た枝の一つです。舌神経は舌の前2/3の、舌咽神経は後1/3の味覚に関与します。舌の味蕾(みらい)には味覚細胞があり、この味覚細胞の受容体は、甘味・塩辛味・苦味・酸味・旨味の5つの味を区別します。味蕾で感じ取った味の情報は舌神経・顔面神経と舌咽神経を介して脳に到達し、脳の体性感覚野の味覚野に投射されます。
味覚障害の原因
味覚の変調は、舌の病気や栄養障害(亜鉛欠乏)のほか、風邪や体調不良で起こりえますので、直接の原因が脳にあることは稀なことではありますが、顔面神経が障害を受けると味覚が鈍くなる可能性があります。
味覚障害を起こしえる脳の病気としては、脳梗塞、脳出血、聴神経腫瘍、重症の頭部外傷、末梢性顔面神経麻痺などが挙げられます。
脳以外が原因となるような病気も様々あります。貧血、胃腸系の病気、肝不全、慢性腎不全、糖尿病などです。糖尿病の患者さんの約1/4で味覚障害があるという報告もあります。その他、舌炎やドライマウス(口腔内乾燥症;シェーグレン症候群など)なども原因になります。
薬により味覚障害を生じることがあります。風邪で用いられることの多い解熱・鎮痛剤や抗アレルギー薬のほか、胃潰瘍治療薬、降圧薬、糖尿病治療薬、抗がん剤などでも味覚障害が生じることがあるといわれています。がんに対する放射線治療で口の中に放射線がかかると味覚障害を生じます。
原因が分からない場合には、心因性(ストレスなど)もしくは特発性(原因不明)などになります。