脳挫傷 | 福岡の脳神経外科 - はしぐち脳神経クリニック

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脳挫傷

 

脳挫傷とは何か

脳挫傷とは、頭部の打撲による強い衝撃で、脳の一部が挫滅した状態です。打撲部の直下の脳に出来る場合(coup injuryと呼びます)と、打撲部と反対側に出来る場合(contra-coup injuryと呼びます)があります。
頻繁に見かける部位が決まっていて、前頭葉の先端部分と側頭葉の先端部分です。この部位が脳の衝撃に対して最も弱いのです。

 

検査と診断

脳挫傷の患者さんでは、CT検査を行うと脳がのっぺりと黒っぽい状態になります。しばしば微小出血を伴っていますので、その中にポツポツと斑な白い点を伴っています(salt & pepper like;塩コショウ様、霜降り状)。時に大きな白い塊として見える場合には、挫傷性脳出血を起こしている状態です。この、脳挫傷の部分はしばしば経時的に広がります。つまり、初日にはごく小さかったものが翌日、3日目と次第に拡大していくように見えることがあります。

上記の診断にはCTで十分ですが、MRIを行うと追加の情報が得られたり、CTでは見えなかったような小さな異常が見つかることもあります。

 

症状は?

脳挫傷の部位特有の症状が出ます。幸いにも、前頭葉の先端や側頭葉の先端には脳の重要な機能があまり多くはありません。といっても、優位半球(基本的には、利き手と反対側)の前頭葉が障害を受けたり、両方の前頭葉が傷んだ場合には性格が脱抑制的になって行動の統制が取れなくなったり、興奮状態になったりもします。その他、高次脳機能障害を呈したり、優位半球で少し広がると失語症を呈するかも知れません。

脳挫傷が大きくてその部位が腫れてくると、頭蓋内圧が高まり、嘔気や嘔吐、頭痛、そして意識障害などの頭蓋内圧亢進症状が出現します。

短期的、長期的にも、挫傷した脳のところが原因となってけいれんを起こす人もいます。

 

治療は?

脳挫傷では、それ単独では手術の対象となることは稀です。脳圧降下薬の点滴静注などが行われます。上記のような高次脳機能障害があればリハビリを行うことになりますし、性格の変化に対しては抑制が付くようにするために精神科的な薬をのむことになります。

頭蓋内圧亢進が疑われるような患者さんでは、頭蓋内圧モニターというものを挿入して、頭蓋内圧が低下するまで頭蓋内圧測定を続けることもあります。

けいれん対策として、外傷後から1週間程度の急性期には抗痙攣薬の予防投与を行うこともあります。しかし、その間にけいれんが起きなかった患者さんでは予防的な内服継続は推奨されておらず、経過観察に留まります。しかし、1~2週間以上経過してから一度でもけいれんが起きた患者さんでは、抗てんかん薬の定期内服を行ったほうがいいとされます。内服は、少なくとも1~2年間継続します。