顔面・まぶたのぴくつき
顔面・まぶたのぴくつきを起こす病気
顔面けいれん
成人、殊に中高年の方で、顔面の左右のうち一方だけの瞼や唇の付近がピクピクする場合、それは片側顔面けいれんの可能性が最も高いです。精神的な要素で誘発されることも多く、人前で話したり、緊張したりすると悪化します。最初は目の周りだけだったりするのですが、経過とともに口の周りに広がり、ひどい人では首の表面の筋肉にまで広がります。目を開けることが困難な状態になることもあります。
診断には、脳のMRI検査で顔面神経を刺激する圧迫血管がないかどうかを確認します。
眼瞼痙攣(がんけんけいれん)
強いまばたきを繰り返して行い、まばたきの回数が多くなります。まぶしくて眼が開けられない、自然と目が閉じてしまう、などの症状がみられます。症状は両眼まぶたに現われます。眼の乾燥感伴うとドライアイと間違えられやすいですが、ドライアイの治療を行っても改善しません。中高年に多く、女性に多いものです。
メージュ症候群
両側の眼瞼痙攣に、口・顎の異常な緊張を伴うものをメイジュ症候群と呼ばれます。口をすぼめる、ひきつる、もごもごするといった症状を伴います。眼瞼痙攣と一連の症候群と考えられています。
眼瞼ミオキミー
片眼まぶたの一部がピクピクと痙攣するが、数日から数週間で自然に消えます。下まぶたに多く、短時間の間に頻繁に動きます。睡眠不足やストレス、疲労の蓄積が原因とされています。
チック(習慣性けいれん)
幼児期から始まり、小児期や青年期に多くみられます。しかめ面、頻繁なまばたきや咳払い、口すぼめ、肩上げなどのピクピクっと素早い動きが特徴です。ストレスや不安、心の葛藤などがきっかけで起こることが多いと言われます。自分の意思で一時的に症状を抑えることができます。他に、単純な音声や複雑な発生、汚言、卑猥な言葉なども含まれます。症状の現れる場所が移動することもあり、顔面神経支配以外の筋肉にも起こります。大人になるにつれて自然治癒する傾向があります。
局所性皮質性けいれん
大脳の運動野に原因があり生じるてんかん発作です。痙攣の大きさは大きいですが、持続時間が短く、時々しか起こりません。
麻痺後顔面けいれん(異常共同運動)
ベル麻痺や外傷後の顔面神経麻痺の後に起こるものです。神経の回復過程で神経回路の一部が誤って修復されてしまうため、目を閉じようとしても同時に口が動いてしまったり、口を動かしたつもりが目も同時に動いてしまうようなものです。顔を動かそうという意図に伴って生じる点で、片側顔面けいれんとは区別できます。