髄液検査(腰椎穿刺) | 福岡の脳神経外科 - はしぐち脳神経クリニック

髄液検査(腰椎穿刺)

Cerebrospinal fluid examination (lumbar puncture)

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髄液検査(腰椎穿刺)

腰椎穿刺とは

背中の腰のあたり、真ん中から背骨の中に存在する脊髄くも膜下腔に向かって針を挿入し、脳脊髄液の圧測定や、液採取を行う検査です。

穿刺は通常、側臥位(横向き)で、頭を前屈させ、膝を曲げて両手で膝を抱えるようにして、腰椎の椎間が広がるように脊柱を強く前屈させた状態で行います。長さ9~10cmの専用の針を無菌的に刺します。

通常、第3~4腰椎間、またはその上下から穿刺を行います。第2腰椎より上だと、脊髄を刺す危険性があります。

成人の場合、平均 5cmでクモ膜下腔に入って針の抵抗がなくなり、髄液が滴下します。液の圧を測り、液の性状を観察し、更に液体を必要量採取して検査を行います。

この応用として、液を採取して液圧を下げる治療を行うこともあります。また、薬液や核医学検査のアイソトープ、造影剤の注入を行うこともあります。

 

髄液検査の意義

腰椎部のくも膜下腔(くう)は脊椎管を介して脳と交通しているので、腰椎穿刺によって得られる髄液は脳脊髄疾患の診断に有力な手掛りとなります。

髄液圧を測定することで、頭蓋内圧の亢進や低下の有無を調べます。正常な髄液圧は、側臥位で通常60~150mmH20です。

髄液の色調や浮遊物の有無を確認します。脳脊髄液は、正常では無色透明です。出血があると赤くなったり黄色調を示したりします。髄膜炎では、白っぽく混濁したり黄色くなったりします。

さらに、髄液の細胞診(腫瘍など)、生化学的検査(蛋白、糖、電解質など)、細菌検査(髄膜炎など)などを必要に応じて行います。

 

なお、頭蓋内圧の亢進が著しいときは、腰椎穿刺自体が禁忌になっています。穿刺排液により脳ヘルニアを誘発して死亡する危険があります。

 

頸静脈圧迫試験(クェッケンシュテット・テスト、Queckenstedt test)

両側の頸部を手で圧迫して、一時的に頚静脈の流れを遮ることで、脊髄くも膜下腔の閉塞がないかどうかを調べる検査です。

正常では10秒以内に圧が100 mmH20以上あがります。また圧迫をやめると速やかに元の圧に戻ります。髄液圧が上昇すれば脊髄くも膜下腔の閉塞がなく、上昇しなければ閉塞があると判断します。

頚静脈の圧迫を行うと頭蓋内の静脈が怒張して、頭蓋内圧が上がることを利用した検査です。

 

髄液検査