外傷性脳内血腫
外傷性脳内血腫とは何か
外傷によって脳の内部に出血が生じたものをいいます。高血圧その他の原因により内因性に生じた脳出血(脳内血腫)と区別します。
原因は?
原因は、外傷により挫滅して傷んだ脳(脳挫傷)からの出血です。その中で出血がある程度まとまった大きさになったものを外傷性脳内血腫と呼びます。
脳挫傷が前頭葉の前方と側頭葉の前方に多いので、外傷性脳内血腫も前頭葉や側頭葉に多いのが特徴です。
症状は?
脳内血腫の症状は、部位によっても異なりますが、小さな脳内出血が脳挫傷の内部にある限りにおいては脳挫傷による症状の他に特別な症状は出ません。拡大してくると、周囲の脳を圧迫して症状を出します。吐き気・おう吐や頭痛、意識障害などです。
検査と診断
最も有用な検査はやはり頭部CTになります。頭部CTでは、脳内に大きな高吸収を示す(白く映る)塊として描出されます。
治療方法は?
基本的には保存的治療(点滴やリハビリ)を行います。
脳圧降下薬や止血薬の点滴が基本になります。状態が落ち着き次第、必要に応じてリハビリを行います。
頭部CTで、脳が歪むほど血腫が大きい場合や、そこまではなくても増大傾向が持続する場合には手術を検討します。手術では、血腫近傍の開頭を行い、血腫を可及的に取り除いて血を止めます。