急性硬膜下血腫 | 福岡の脳神経外科 - はしぐち脳神経クリニック

急性硬膜下血腫

Acute subdural hematoma

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急性硬膜下血腫

急性硬膜下血腫とは

 

頭蓋内に三日月状の血腫があり(図の左側の白いところ)、それにより脳が図左から右に圧迫されています。

 

急性硬膜下血腫は、硬膜と脳の間に生じた出血のことです。正確には、硬膜と、脳を覆っているくも膜の間になります。出血源は主に脳表の動脈ですが、その他、架橋静脈と呼ばれる静脈性出血のこともあります。

交通事故でお亡くなりになる人をニュースなどで見たり聞いたりすると思いますが、頭部が原因でお亡くなりになる患者さんの中には、この急性硬膜下血腫が多く含まれています。

 

原因は?

上述のように、原因は、脳表の動脈もしくは架橋静脈からの出血です。

脳表の動脈からの出血

脳表の動脈に何らかの圧力がかかり損傷した場合、内部へ出血が噴き出ると脳内血腫になり、くも膜との間に出るとくも膜下出血になる一方、薄いくも膜を破ると硬膜下血腫になります。一方、くも膜の外に出血が噴き出ると、硬膜下血腫になります。

脳表の動脈からの激しい出血は硬膜下血腫になる印象がありますが、この3者は同じ部位の血管損傷で起こり得るものですので、併存していてもおかしくありません。

架橋静脈からの出血

脳表には動脈のほかに静脈が走行していますが、脳表の静脈は硬膜の中を貫く太い静脈洞を介して頚部の太い静脈へ集まり、心臓へ帰ります。その、脳表の静脈は静脈洞へ入る直前に脳表から一旦離れて浮いた状態になるのですが、この状態が脳と硬膜の間を橋渡ししているような状態なので、架橋静脈と呼びます。

架橋静脈は宙ぶらりんの状態なので、強い衝撃で脳が揺さぶられると引っ張られて出血するのです。

脳表の動脈からの出血なのか、架橋静脈からの出血なのかについては、画像上の血腫の分布や術中の血管の損傷・出血部位などから判断します。

 

症状は?

急性硬膜下血腫は、急性硬膜外血腫よりも遥かに高い頻度で認めます。また、頭部外傷の中もとりわけ生命の危機に直結する可能性の高い危険なものです。

意識障害

直後から意識がない場合や、出血の増大に伴い意識が悪くなっていく場合などもあります。上の図のように脳がゆがむと意識は昏睡状態となります。また、瞳孔の左右差が出現したり、両方の瞳孔が開いてしまったりします。

脳の局所の障害による症状

また、血腫により局所の脳が圧迫されて局所症状(例えば反対側の手足の片麻痺など)が出現します。

 

検査と診断

頭部外傷の患者さんが運ばれてきたらまずCTやMRIによる検査を行います。

CTで急性硬膜下血腫を認めた場合は要注意です。出血量が僅かで、脳の歪みが殆どない場合には経過観察しますが、外傷から初回CTまでのタイミングを考慮しつつ、2回目のCTを1~2時間後には行います。それで出血量が増えていなければ更に経過観察を続けます。

一方、出血量が増えていればその時点で手術を考慮すべきかもしれません。初回CTで出血量が多く、脳が歪んで脳ヘルニアを起こしそうになっている場合には超緊急で手術になります。

 

治療は?

手術のタイミングは?

患者さんの状態から判断する手術のタイミングとしては、意識状態が悪化しはじめたら即手術を検討すべきです。このような患者さんでは、出血している側と反対側の手足の麻痺が出現している可能性があります。そして、瞳孔のサイズに左右差が出ているような状態であればとても急ぐ必要があります

片方の瞳孔が完全に開いているような患者さんでは、手術してもその後の回復が厳しくなってきますし、両方の瞳孔が開いてしまっているような患者さんでは、残念ながら回復の見込みはほぼないと言えるかもしれません。

こういう状況ですので、急性硬膜下血腫を認めた場合、我々は手術を特別に急ぐことがあります。場合によっては救命最優先で、診断から手術室に入るまで15分、手術室に入ってから手術開始まで15分、そして手術開始から血腫除去を開始するまで10分という、通常では行わないような迅速な対応をすることもあります(普通の手術でこのように急ぐと、何らかのトラブルやミスの原因となりますので、通常はすべきではありません)。

手術の方法は?

手術では、頭皮を開いて頭蓋骨を大きく外し、その裏の硬膜を開くと、通常は脳表が見えるはずなのですが、急性硬膜下血腫の患者さんでは分厚い血腫が脳を覆っていて脳は見えません。この血腫を可及的に取り除きます。脳表で、出血源となっている血管を確認します。止血が不十分であれば止血を行います。

その後に閉頭に入るのですが、脳損傷が激しい場合には脳が腫れていて盛り上がってくることがあります。手術中にこのような状態になったら術後に脳の腫れが更に強まって脳ヘルニアになりかねません。そこで、硬膜は元通りには縫い合わせずに人工硬膜を使って脳が膨らむことが出来るような状態にしたり、更には頭蓋骨も戻さずに別のところに保存しておくこともあります(頭蓋骨を戻さなかった場合には後日、頭蓋骨を戻す(作る)手術;頭蓋形成術が別に必要になります)。

術後は?

術後に注意しなければならないのは、このような重症の外傷の場合には手術した側の硬膜下血腫は取り除かれていても、別の部位の脳出血が大きくなってきたり、反対側の硬膜下血腫が膨らんでくることがあるということです。術後にも安心できません。

何とか手術が無事に終了し、術後の状態が安定したら、あとは点滴とリハビリを行うことになります。点滴としては、術後に必要な抗生剤のほか、脳圧降下薬などが使われます。意識の回復が悪いなど、食事が食べられない患者さんでは、経鼻胃管による経管栄養を開始します。抜糸が終了して、全身状態に問題なければ速やかにリハビリ病院に移ることが回復への最短距離になります。

 

 


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