ふるえ(振戦)
手の震えでお困りの方も少なからずいらっしゃると思います。
ふるえは、自分でコントロールのできない動きです。不随意運動と呼ばれるものの一種です。
震えの原因は
持続性のものとして、パーキンソン病、本態性振戦、老人性振戦、ジストニア、薬剤性のものなど、一過性のものとしててんかんなどがあります。それぞれのふるえには特徴があります。
パーキンソン病
主に安静時にふるえがあるのなら、パーキンソン病などが考えられます。パーキンソン病の患者さんではその他の特徴として、無表情、動作が遅くなるなどの症状があります。パーキンソン病と、他の原因によるパーキンソン症候群を区別する必要がありますが、パーキンソン病の患者さんにはレボドパ製剤が奏効します。
本態性振戦
本態性振戦や老人性振戦は、動作時の振戦が特徴とされ、箸を持ったり字を書いたりすると著明に手が震えて動作を遂行することが出来なくなってしまいます。企図振戦とも呼ばれます。βブロッカーというお薬がよく効きます。
書痙
ジストニアの一例として、書痙という病気があります。字を書くときに限って手が震えてうまく書けなくなってしまいます。抗コリン剤や、クロナゼパムという抗てんかん薬が効果を発揮することもあります。
内分泌・代謝性の病気
その他、甲状腺機能亢進症やアルコールの離脱症状として手や全身の震えが生じることもありますし、ストレス・不安・疲労などの精神状態も震えの原因となるかもしれません。
薬の副作用
内服している薬が原因となって、薬の副作用で振戦が生じていることもあります。飲んでいる薬を見直すことも重要です。
手術が有効な場合もあります
上に述べた中で、パーキンソン病、本態性振戦、ジストニアに対して薬の効果が不十分な場合には、外科治療による症状の緩和も一つの選択肢です(脳深部刺激療法)。