後頭神経痛
後頭神経痛とは
後頭神経痛は、典型的にはズキンと来る短時間の痛みを繰り返す頭痛です。
・ズキンズキン、キリキリ、チクチクとした痛み。
・電気が走るような痛み。
・数十秒も続かないことが殆ど。
・一日に数回から、多いときは一時間に何十回も起こることもある。
他の頭痛とは痛みの性質が全く異なり、患者さんから話を聞けば大体わかります。
多くの場合、原因は後頭部の皮下を走る大後頭神経の機能障害とされます。その他、小後頭神経や大耳介神経が原因のこともあります。
・大後頭神経痛:左右どちらかの後頭部から頭頂部の痛み
・小後頭神経痛:後頭部(耳の後ろ)の痛み
・大耳介神経痛:耳の周囲の痛み
背景には、肩こり、首こりがあります。首こりに伴い首筋の筋肉が硬くなり、その部位を通過する後頭神経が刺激されて痛みを生じます。
多くの患者さんは、これまで経験したことのないこのような痛みに対して不安を感じて来院します。「脳血管が破裂するのでは」などと訴える患者さんも多いものです。
しかし、痛みの部位は表面的なもので、しばしば痛い部分をピンポイントで示すことができます。あるいは、痛みが走る特定の部位(流れ)があります。
似たような神経痛で、帯状疱疹のこともありますので、頭皮をよく観察することは重要です。
その他、必要に応じて、MRIなどの画像診断で、椎骨動脈解離やくも膜下出血などの脳卒中、脳腫瘍ではないことを確認します。
治療は
鎮痛剤を飲めばある程度は抑えられますが、希望者にはブロック注射(局所麻酔)を行います。痛みの原因となっている神経を一時的に麻痺させてしまうと痛みが暫く消失するからです。
その他、神経痛を抑える薬(プレガバリンやカルバマゼピンなど)を持ちることもあります。
なお、放っておいても痛みは1~2週間程度で軽くなり、消失することが殆どです。
その他の神経痛
時に、似たような神経痛は別の場所でも経験することがあります。
頭部ではなく顔面に似たような神経痛を感じる患者さんにおいては少し話がややこしくなります。三叉神経痛の欄をご覧ください。