早期アルツハイマー病治療薬「ケサンラ点滴」
- 2024年11月27日
日本イーライリリーの早期アルツハイマー病治療薬「ケサンラ点滴静注液」(一般名:ドナネマブ)が11月26日に発売されました。エーザイと米バイオジェンの「レケンビ(一般名レカネマブ)」に次ぎ、国内2例目の軽度認知障害・早期アルツハイマー型認知症に対する治療薬となります。
この薬剤はアミロイドβを除去し、軽度認知障害および軽度認知症の進行を抑制する効果が期待されています。投与は4週に1回で、原則として最長18カ月ですが、12カ月後にアミロイドβプラークの除去が確認された場合に投与を終了することが可能です。
薬価は1瓶6万6948円で、年間治療費は約308万円となります。
ただし、副作用として脳のむくみや微小出血の可能性があり、最適使用推進ガイドラインに基づき、対象となる患者や医療施設の要件が設定されています。国内では早期アルツハイマー病治療薬として2例目となり、治療の選択肢が広がることが期待されています。
ケサンラの主な特徴
効果: アルツハイマー病の原因と考えられているアミロイドβプラークを取り除くことで、病気の進行を遅らせる効果が期待されています。
対象: アルツハイマー病による軽度認知障害(認知症の前の段階)および軽度の認知症の患者さんが対象です。
投与方法: 静脈注射で投与されます。通常、1回2本(主成分として700mg)を4週間隔で3回、その後は1回4本(1,400mg)を4週間隔で、少なくとも30分かけて点滴されます。
※ 投与開始期間中には脳の腫れや脳の出血などの副作用を生じる可能性があるため、定期的な脳MRI検査が必要です。
当院で初期導入はできませんが、可能性の評価を行い、可能性のある方におかれましては初期導入可能な施設(大学病院など)を紹介させていただきます。お気軽にご相談ください。