片頭痛予防のためにできること | 福岡の脳神経外科 - はしぐち脳神経クリニック

片頭痛予防のためにできること

What you can do to prevent migraines

MENU
電話でお問い合わせ

片頭痛予防のためにできること

  • 2023年3月5日

片頭痛持ちの人の多くには、頭痛が起こりやすい習慣や体調の変化、気候といった誘因があります。

具体的には、天候や気圧の変化強い日差し月経周期(月経前後・排卵前後)ストレス(もしくはストレスからの解放)寝不足や寝過ぎ空腹、強いにおい、ある種の薬剤、過度の運動、喫煙、カフェイン摂取または離脱などが頭痛の要因になっているかもしれません。

 

片頭痛持ちの人は、自分の頭痛が生じた誘因を分析し、把握することで、頭痛を軽減することができるかもしれません。そのためには、頭痛が起こった前後の天気・睡眠習慣・食事・活動内容などをメモすることが有用です。

頭痛ダイアリーというものがあります。頭痛持ちの方が、自分の頭痛に関わる生活習慣・体調・天気などに加え、お薬の服用状況を記載するのに便利なものです。当院や、その他の頭痛専門外来で配布していますので、お尋ねされるといいと思います。

 

片頭痛をお持ちの方は、以下のうち自分に当てはまる生活習慣を心がけましょう。

 

気圧や天候の変化で頭痛が起こる人(天気痛)

どんよりとした日、雨降り前に頭痛が起こる人はとても多いものです。残念ながら、天候の変化をそのものを避けることは多くの人にとって不可能に近いです。しかし、天候の変化をあらかじめ把握しておいて、頭痛に備えることはできるかもしれません。頭痛が起こりやすい天気の際には、無理に予定を詰めずに時間に余裕をもって生活をするように心がけましょう。

日々の気圧の変化は、携帯などで使えるアプリ「頭痛ーる」などを用いると、地域の気圧の変化を確認することができます。

人によっては、天気痛に対してある種の漢方薬を飲んで備えると有効かもしれません。詳しくは専門の医療機関でお尋ねください。

 

月経周期で頭痛が起こる人

特に多いのが生理中や生理前後、次いで多いのが排卵日前後です。生理周期は避けることができませんが、自分の生理周期と頭痛との関係を知ることで、生理周期に合わせた行動パターンを意識することはできます。頭痛が起きやすい時期には予定を詰め過ぎず、時間にゆとりを持って行動するのも必要です。また、特にその時期には頭痛を起こしにくくなる食習慣や生活を送るように心がけましょう。月経周期に応じて薬を使い分ける方法もあります。

 

夏の日差しで頭痛が起こる人

真夏のギラギラした光で頭が痛くなる人は、日中の外出を避け、朝の早いうちや夕方に行動するように心がけましょう。どうしてもそれができないときには、つばの大きめの帽子を被る、サングラスをするなどの工夫を行いましょう。

 

寝不足・寝過ぎで頭痛が起こる人

睡眠不足、夜更かし、朝寝坊も頭痛も原因になることがあります。毎日規則正しく決まった時間に布団に入り、決まった時間に起きることを心がけましょう。睡眠時間は最低でも6時間は確保する一方、8時間を超えて寝ないようにしましょう。

 

週末・休日に頭痛が起こる人

こうした人は、緊張した生活を過ごしていた平日が過ぎ、週末に気が緩んだことが頭痛の誘因になっています。特に、金曜日(休日前)の夜や、休みの日の朝は要注意です。せっかくの週末が台無しになってしまうばかりか、家族や恋人との大切な時間が辛い時間に変わってしまうかもしれません。

週末に頭痛が起こりやすい人の場合には、週末の朝に朝寝坊せずいつも通り起床し、朝に軽い運動やストレッチ、散歩などを行うことをお勧めします。

 

空腹時に頭痛が多い人

片頭痛の人には、空腹に伴う低血糖が下がることで頭痛が生じる人がいます。こうした方では、3食規則正しく摂取することを心がけ、またおなかが空いたと感じたら、軽く何かを食べるようにしましょう。

 

人混みで頭痛が起こる人

こうした人にとって、楽しい活動に参加する機会が制限することは辛いことかもしれません。しかし、頭痛を避けたいのであれば、人出の多い時期の行楽地や繁華街、コンサートやイベントなどはなるべく避けて行動しましょう。

どうしても人混みへ出かけることが必要な時には、頭痛を軽減できる漢方薬などを服用し、ここに記載しているその他のことを心がけ、鎮痛剤を持って万全の態勢で臨みましょう。

 

チョコレートやチーズで頭痛が起こる人

片頭痛を起こす血管拡張物質として、チラミン、ポリフェノール、亜硝酸化合物、グルタミン酸ナトリウムなどが知られています。

チラミンは、片頭痛を起こす代表的な物質で、チョコレート熟成チーズ赤ワインなどに多く含まれます。こうした物質にはポリフェノールも少なからず含まれます。

その他、柑橘類、燻製肉、加工肉、卵、アルコール、トロピカルフルーツ、キャベツ、玉ねぎ、中華料理などにも注意しましょう。

赤ワイン以外のアルコールも、血管拡張を起こし、片頭痛の原因になるかもしれません。

 

みんなができること~マグネシウムやビタミン摂取を心がける

マグネシウム・ビタミンB2には片頭痛を起こりにくくする可能性があります。

マグネシウムを多く含む食品は、日本食に多く、米(特に玄米)、味噌、海藻(ワカメ、海苔)、大豆製品、黒豆、ひじき、牡蠣、マグロ、ほうれん草などです。ナッツ類にも多く含まれています。片頭痛の方の朝食には和食が最適です。

ビタミンB2を多く含む食品としては、レバー、大豆、卵、葉物野菜(ほうれん草)、乳製品、うなぎ、胡麻などです。肉や魚にも多く含まれています。

普段からこうした食品を多めに摂取するように心がけましょう。

 

頭痛薬(鎮痛薬)の飲み過ぎには注意

痛み止めを飲むと一時的に痛みを抑えることができます。しかし、痛み止めを飲み過ぎると、頭痛薬が効きづらくなったり、痛み止めが切れると痛みが再発するので、毎日痛み止めが欠かせなくなったりすることがあります(薬剤使用過多による頭痛:薬剤乱用頭痛)。

痛み止めは、月のうち10日未満、多い時でも15日以内にすることを心がけましょう。

 

頭痛予防薬があります!

頭痛薬を月のうち4-10日、もしくはそれ以上飲んでいるようない状態で、頭痛薬が手放せなくなっている人、頭痛に対する恐怖感が強い人は、予防薬を試してみるといいかもしれません。

予防薬には複数の種類の薬があります。自分に合った予防薬がありそうかどうかは、当院もしくはお近くの専門医にお尋ねください。

なお、最近では、予防薬の効果が十分でない人を対象とした注射薬CGRP製剤)が出ています。注射薬の使用にはいろいろと条件が定められています。こちらについても、詳しくお聞きしたい方は、当院もしくはお近くの専門医にお尋ねください。

院長 橋口 公章(はしぐち きみあき)
記事監修
院長 橋口 公章(はしぐち きみあき)

福岡生まれ、福岡育ち。

九州大学医学部卒業。
医学博士。

 

脳神経外科専門医、日本脳卒中学会専門医、日本てんかん学会専門医、日本定位・機能神経外科学会機能的定位脳手術技術認定、迷走神経刺激療法資格認定、日本小児神経外科学会技術認定医。

人との繋がりを大切にし、福岡および周辺地域の患者様の脳神経外科治療に尽力している。

詳しい医師紹介を見る  web予約