片頭痛治療薬一覧
- 2023年12月21日
片頭痛の治療には、
② 予防薬(頭痛が頻繁に起きる方に対して、頭痛の軽減を目的として予防的に用いる薬)
があります。
※ 下記の薬の一覧は、頭痛診療ガイドラインに沿って載せたものであり、一部保険適応外の薬もあります。
急性期治療薬(鎮痛薬)
いわゆる「痛み止め」のことです。
1.トリプタン系薬
片頭痛発作時の鎮痛剤として標準的なものであり、通常は、片頭痛に対していわゆる解熱鎮痛剤よりも高い効果が得られます。下記の薬には、それぞれ効果や効くまでの時間、効果持続時間、副作用の出方などに違いがあります。
マクサルト | イミグラン | ゾーミッグ | レルパックス | アマージ |
リザトリプタン | スマトリプタン | ゾルミトリプタン | エレトリプタン | ナラトリプタン |
イミグラン点鼻液 |
スマトリプタン |
イミグラン自己注射については、発売元(グラクソ・スミスクライン株式会社)のこちらの動画をご参照ください。
https://gskpro.com/ja-jp/products-info/imigran/detail/Chuugakurika.com/2017/11/02/post-321/
2.ジタン系薬
最新の片頭痛発作時の治療薬です。効果は高いのですが、眠気やふらつきなどの副作用が出ることがあります。1日に200mgまで内服可能です。
レイボー50mg/100mg | |
ラスミジタン | |
3.消炎鎮痛薬
・アセトアミノフェン
標準的な鎮痛剤であり、小児から大人まで使いやすい薬です。効果は強くはありません。
カロナール |
アセトアミノフェン |
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
いわゆる解熱鎮痛剤です。単独として用いても効果がありますが、トリプタン製剤との併用により効果が高まることもあります。
アスピリン末 | ブルフェン | ボルタレン | ナイキサン |
アスピリン | イブプロフェン | ジクロフェナク | ナプロキセン |
インフリー | セレコックス | ハイペン | ロキソニン |
インドメタシン | セレコキシブ | エトドラク | ロキソプロフェン |
4.制吐薬
吐き気止めは、片頭痛抑制のためにも有用なことがあります。
プリンペラン | ナウゼリン | ナウゼリン座薬 |
メトクロプラミド | ドンペリドン | ドンペリドン座薬 |
5.エルゴタミン
エルゴタミン製剤は、上記のトリプタン製剤が上市されるまでは第一選択薬でした。最近は使われる頻度が顕著に減っていますが、それでも有効な方もいらっしゃいます。
エルゴタミン製剤には、エルゴタミン酒石酸塩に無水カフェインを配合した、「クリアミン配合錠」というものがあります。
6.その他
表2にあるようなその他各種薬剤があります。
※ 慢性頭痛の診療ガイドライン2021より
予防薬
頭痛発作が起こりにくくなることを目的として、定期的に使用する薬です。
1.CGRP抗体関連薬
2021年に上市された薬(皮下注射製剤)で、高い片頭痛抑制効果が期待できます。
28日~30日に1回の皮下注射を行います。
但し、後述の「ミグシス(ロメリジン)」、「デパケン/セレニカ(バルプロ酸)」、「インデラル(プロプラノロール)」を使用し無効であった方など、一定の条件をクリアしないと使用できません。
エムガルティ | アジョビ | アイモビーグ |
ガルカネズマブ | フレマネズマブ | エレヌマブ |
抗CGRP抗体 | 抗CGRP抗体 | 抗CGRP受容体抗体 |
この3剤の違いについては、こちらもご参照ください。
2.主な内服薬
保険適応もしくは適応外使用が認められている主な薬(毎日の内服により予防効果を発揮します)。
単独、もしくは組み合わせにより、片頭痛を抑制する効果が期待できます。
ミグシス | デパケン、セレニカ | インデラル | トリプタノール |
ロメリジン | バルプロ酸 | プロプラノロール | アミトリプチリン |
カルシウム拮抗薬 | 抗てんかん薬、気分安定薬 | β遮断薬 | 三環系抗うつ薬 |
3.その他の内服薬
こちらに載せている薬は、「片頭痛」に対する保険適応はできません。
トピラマートなどは、海外では片頭痛予防薬として高い効果を示すことが知られています。
トピラマート、ガバペンチン、レベチラセタム、ベラパミル、カンデサルタン、チザニジンなど
トピナ | ワソラン | ブロプレス | テルネリン |
トピラマート | ベラパミル | カンデサルタン | チザニジン |
抗てんかん薬 | カルシウム拮抗薬 | ARB(降圧薬) | 筋弛緩薬 |
4.漢方薬
呉茱萸湯、五苓散、釣藤散、桂枝人参湯、葛根湯などがあります。
※ 慢性頭痛の診療ガイドライン2021より