糖尿病は脳疾患にも影響する?
- 2022年12月3日
糖尿病の「第4の合併症」、脳梗塞。
今や日本人の6人に1人、日本人の約2000万人が糖尿病あるいはその予備軍といわれるほど、糖尿病は私たちの身近に存在する病気です。自己免疫よって起こる「1型糖尿病」と、遺伝的な要因や生活習慣が原因で発症する「2型糖尿病」の2種類がありますが、糖尿病患者の大半の方は糖質の摂り過ぎや運動不足といった生活習慣に原因があると言われています。
そしてこの糖尿病の怖さは「サイレントキラー」ともいわれ、初期ではまったく自覚症状が表れないところにあります。ですが進行すると、やがて糖尿病の3大合併症と呼ばれる腎臓の機能が低下する「糖尿病腎症」、視力が低下する「糖尿病網膜症」、感覚の異常などを引き起こす「糖尿病神経障害」のリスクが高まります。そして近年では「脳梗塞」がその「第4の合併症」といわれるようにもなっています。
脳梗塞や脳卒中に高リスクな「糖尿病」。
糖尿病の人の脳梗塞の発症リスクは、血糖値が正常な人に比べて男性で2.2倍、女性で3.6倍にもなります(※)。人の活動において欠かすことのできないエネルギー源としてのブドウ糖ですが、血糖値(血液中に含まれるブドウ糖の濃度)のコントロールがうまくいかなくなると、血液中で糖が血管を破壊して動脈硬化を起こすようになります。特に脳や脳につながる血管がダメージを受けやすく、脳の血管の一部が狭くなったり、血栓が詰まったりして、血液が流れなくなり脳梗塞のリスクが高まります。また、血管がもろくなって脳出血を引き起こしやすくなり、脳卒中の原因にもなります。
(※)国立研究開発法人 国立がん研究センター「多目的コホート研究」による、40歳~69歳の男女約3.6万人を対象とした調査研究。
https://epi.ncc.go.jp/files/01_jphc/archives/JPHCpamphlet201612-4.pdf
「糖尿病」を予防し、脳疾患リスクを軽減するために。
糖尿病(予備軍含む)と診断されたら、糖質制限やカロリー制限等の食事管理を継続する必要があります。あるいは例えそのような診断をされていない場合でも、糖尿病のリスクを防ぐことが、脳梗塞や脳卒中の予防につながることをまず理解しておきましょう。
その際、「食べたいものが食べられなくなる」と思われている方もいらっしゃるようですが、最近では食事療法の考え方や様々な商品の開発が進んでいます。食品と血糖値との関係についてしっかりと勉強すると、血糖値がよほど悪化している場合を除いて、食べ方の工夫次第では「全く食べてはいけない食品は限られる」といえる実情にあります。糖質やカロリーのコントロールを容易にする、さまざまな商品やサービス、あるいは調理法や情報等が数多くあります。上手に活用しましょう。なぜなら糖尿病に対しては、日常的な継続ができなければ治療も予防も効果が期待できないからです。
また、肥満が解消されること、つまりダイエットも血糖値の改善につながります。食事のコントロールに併せて、適度な運動を生活のなかに取り入れるようにしましょう。これまで血糖値の改善には有酸素運動が効果的とされてきましたが、近年の研究では筋肉が糖を消費するため、筋トレも血糖値コントロールに効果があることが分かっています。ただし、投薬治療を受けている方は、低血糖を起こす危険性もありますので、必ず医師に相談の上でトレーニングを行って下さい。
厚生労働省の以下のサイトでは、糖尿病のことを詳しく説明しています。
厚生労働省 e-ヘルスネット 糖尿病
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-002.html
糖質制限に関する、さまざまな情報や商品を紹介している、以下のようなサイトもあります。
糖サポ広場/市場
興味のある方はご覧になってみてください。