てんかんってどんな病気?
てんかんとは
てんかんは、脳の神経回路の一部もしくは全体が一時的に異常な過活動状態となり、それに伴い脳が正常な働きをできなくなる一過性の状態を繰り返す病気です。
一過性の状態ですので、発作がないときは普通に活動できます。ただし、発作があまりにも多い(毎週や毎日)と、長期的に脳の損傷が激しくなり、脳機能そのものが低下する可能性もあります。特に、小さな子どもにおいてはそれが著しいため、可及的早期に発作コントロールを目指したほうがいいとされます。
ニューロンとグリア
脳は主にニューロンという神経細胞とグリアという神経支持細胞からなります。神経活動は主にニューロンの働きによって生じます。つまり、ものを見て、音を聞いて、匂いを嗅いで、手足を動かしたり、話したり、考えたり、感じたりするにはニューロンの働きが重要です。
ニューロンの活動
ニューロンは、神経細胞体と樹状突起と軸索から成ります。神経細胞体は細胞の本体、そして樹状突起は他の細胞から情報を受け取る部位、そして軸索は他の細胞に情報を伝える部位です。ニューロンの神経細胞体は大脳皮質、つまり脳の表面に存在します。そして、軸索と樹状突起を介して他の部位の細胞と情報のやり取りをしています。これが脳活動の基礎を成します。軸索や樹状突起を介した情報伝達は、ごく僅かな電気の流れによりなされます。ですので、脳は小さな電気回路が無数に集まってできる精密機械のようなものです。
てんかんは脳の電気回路の一時的な異常
一方、てんかんは脳の電気回路の異常が原因となって起こります。機械の電気回路がショートした状態をイメージして下さい。つまり、脳の一部もしくは全体が電気的に異常活動を起こした状態です。
てんかんの原因
てんかんは、脳に正常とは異なる病変がある場合に起こります。これが脳の電気回路の不調の本体です。病変といっても様々です。極端な話をすれば、何でもありです。具体的には、生まれる前からの遺伝子異常や脳形成異常、脳腫瘍、脳卒中後、外傷性脳損傷、脳炎、髄膜炎、変性疾患、そして認知症も原因の一つになります。