振戦・本態性振戦 | 福岡の脳神経外科 - はしぐち脳神経クリニック

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振戦・本態性振戦

振戦とは、「身体の一部または全身に出現する不随意で律動的な運動」のことです。

パーキンソン病、本態性振戦、老人性振戦、ジストニア、脳血管障害、アルコール性、代謝・内分泌性、薬剤性のものなどがあります。

安静時振戦、姿勢時振戦、動作時振戦などに分けられ、安静時振戦の代表例はパーキンソン病です。

一方、姿勢時振戦の代表は本態性振戦と呼ばれるものです。

(ここからは主に本態性振戦に絞って話します)

 

本態性振戦

本態性振戦は、姿勢時振戦の代表的なもので、不随意運動の中でも特に頻度の高いものの一つです。

年齢とともに増加し、40代以降では4%程度で、高齢者では更に多いと言われます。”

本態性”と呼ばれるゆえんは、調べてみても特に原因となるものが出てこないからです。ただ、家族性に発生することも多く、遺伝的素因が絡んでいる可能性はあります。

 

症状は?

手を膝の上に置いた状態などの安静時には振戦は目立ちません。主に姿勢時と動作時に手が震えるので、上肢をまっすぐ伸ばした姿勢で保持したり、書字などの動作をすると手の震えが悪化します。

時としてパーキンソン病との区別が難しい場合がありますが、安静時には振戦が軽減する点、首から上の振戦も伴うてんなどで見分けます。なお、本態性振戦とパーキンソン病の発症には関連があるという報告も増えています。

手の震えの他、頭や首が細かく震えることや、人前で話すときに声が震えてしまうこともあります。

震えは、少量のアルコールを飲むと軽くなることがあります。

なお、振戦以外の症状は伴いません。

症状は放置しておいても問題ありませんが、震えのため生活や仕事に支障がある場合には治療を行います。

 

治療方針

本態性振戦に対する治療の開始は、まずストレス対策などの生活指導です。十分な効果が得られない場合の治療の基本は薬物療法です。その他、ボトックス治療や手術といった選択肢もあります。

 

内服薬

薬としては、交感神経遮断薬(プロプラノロール、アロチノロール)、抗てんかん薬(プリミドン、クロナゼパム)、抗不安薬(アルプラゾラム、ジアゼパム)などが効果があるとされています。抗てんかん薬のガバペンチンやトピラマートが有効という報告もあります。

わが国で本態性振戦の治療薬として保険適用があるのは、アロチノロール(アロチノロール塩酸塩)のみですから、第1選択薬としてまずはアロチノロールの内服が推奨されます。なお、β遮断薬の使用により、心臓の収縮力を弱めたり、心拍数(脈拍数)が減少したり、気管支喘息が悪化するといった可能性もあり、注意する必要があります。

アロチノロールの内服効果が不十分な場合は、海外の治療ガイドラインからプロプラノロール(インデラル)、プリミドン(プリミドン)の投与がガイドラインで推奨されています。プリミドンは、眠気、めまい、嘔気などの副作用に注意して、ゆっくりと増量するのが望ましいとされています。

精神的緊張で悪化する場合には、抗不安薬を用いることもあります。

 

ボトックス治療(保険適応ではありません)

ボツリヌス毒素を応用した薬(ボトックス)を局所に注射する治療方法です。四肢、頭部、喉などのうち局所に限局した振戦に対して用いられます。また、薬の効果が不十分な場合や、副作用により使用できない場合にも使用されます。

 

定位脳手術(脳深部刺激療法、破壊術)

手術の対象となるのは、振戦のために日常生活や社会生活に支障が出ていて、他の有効な治療がない場合です。診断に疑問がある場合や認知症の方では適応から外れます。

手術による治療としては、脳深部刺激療法もしくは破壊術が行われます。これは、脳の振戦に関わる部分を電気刺激もしくは破壊することで、震戦が起こらなくするというものです。振戦に関わる部分のうち、手術の目標となる脳の部位は大脳の深部にある「視床の腹中間(Vim)核」と呼ばれるところです。

パーキンソン病に対する手術と同じ方法で手術を行います。刺激でも、破壊でも、Vim核を狙って細い器具を挿入するような手術になります。

簡単に説明すると、以下のようになります。

頭部に座標のついたフレームを固定した状態でMRIを行い、ターゲットとなる部位(Vim核)の座標を確認します。

頭皮上から挿入する位置を決め、ターゲットの座標を設定すると、おのずと挿入方向が決まります。

頭皮を小さく切開し、頭蓋骨にも小孔を開け、脳表からターゲットに向かって金属製の細い管を挿入していきます。

ターゲットに到達すると、破壊の場合には熱凝固して破壊します。刺激の場合には刺激するための電極リード線を挿入します。

刺激の場合には、刺激用のバッテリー・電流発生装置を鎖骨の下に埋め込んで手術を終了します。

刺激でも破壊でも同様の効果が期待できるのですが、破壊する場合は合併症(意識障害、記銘力障害、構音障害、発声障害など)の危険性が高いため、片側にしか行いません。

刺激でも破壊でも、脳出血、構音障害、発声障害などには注意しなければなりません。

 

MRIガイド下集束超音波治療

 

新しい非侵襲的治療法として、MRI ガイド下集束超音波治療(MRgFUS)という方法があります。頭蓋外から脳の視床に向かって微弱な超音波ビームを集中させることで、熱凝固します。

治療に際し、超音波発生素子が埋め込まれた治療用のヘルメットに患者さんの頭を固定します。

皮膚を切ったり、脳に電極を刺したりすることが一切不要ですので、手術に伴う脳損傷、出血、血管損傷などのリスクを避けることができます。欠点として、超音波が通過しやすいように、全剃髪が必要になります。また、頭蓋骨の条件が良くないと十分な治療効果が得られない場合があります。

 


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