若年ミオクロニーてんかん
若年ミオクロニーてんかんとは
若い人に起こる、寝起きなどに両手がびくっと動く発作です。
特発性全般てんかんに含まれます。
特徴は?
両手が急にびくっと動く発作を主体とするてんかんです(ミオクロニー発作と呼ばれます)。
両側同時に、また左右対称性に起こります。
箸や茶わん、スマホなどを投げ出してしまうこともあります。
下肢や、全身に起こる場合もあります。
明らかな意識消失は伴いません。
ミオクロニー発作は睡眠から覚醒した後に起こることが殆どです。睡眠不足、早朝覚醒、過度の精神的ストレス、アルコール多飲、光刺激により誘発されやすくなります。
10代から20代で発症しますが、大部分の方は12~18歳ごろに発症します。
ミオクロニー発作の他、全身けいれんを伴う”全般性強直間代発作”やぼーっとする”欠神発作”を伴うこともあります。
患者さんはミオクロニー発作に気づかず、全般性強直間代発作を起こして初めて明らかになることもあります。
全般性強直間代発作はミオクロニー発作から数年後に現れることが多いですが、時にミオクロニー発作が頻発して間もなく生じます。
欠神発作は10~40%の方でみられます。頻度は稀で、毎日起こることはありません。
診断は?
患者さんからの問診で概ね推定が付きます。
脳波検査では4-6Hzの多棘徐波という特徴的な波形を示します(下図)。全般性・両側性に認めますが、前頭部に限局することもあります。光刺激や睡眠不足では、以上の検出率は高まります。
原因は不明ですが、半数の方では家族にてんかんなどの発作性の病気の方がいらっしゃいます。
治療・経過は?
一部の抗てんかん薬が有効です。最も有効なのはバルプロ酸です。しかし、バルプロ酸は胎児への影響の問題から適齢期の女性には避けられがちです。その場合にはレベチラセタムやラモトリギン、クロナゼパムなども代替選択枝になります。
こうした薬剤を開始すると発作が起こりにくくなることが多いですが、薬を止めると発作が再発することが多く、長期にわたり薬を内服するのが好ましいと言えます。
知的障害を伴うことは通常、ありません。