覚醒時大発作てんかん
年齢依存性てんかんの一つで、全身けいれんを起こします。
6~22歳ごろに発症しますが、とりわけ思春期後半の発症が多いです。
若年欠神てんかんや若年ミオクロニーてんかんとのオーバーラップもあります。
12.5%にてんかんの家族歴があると報告されています。
発作は?
発作時には、前兆もなく突然に意識消失し、全身強直間代けいれんを起こします。数分以内に終わります。
発作は、とくに起床後2時間以内、特に30分以内に起こりやすいと言われています。
その他、夕方のほっとした時間や余暇時間に発生することもあります。
発作後には眠ってしまうこともあり、その後に頭痛や吐き気を訴えることも少なくありません。
寝不足、疲労、光による視覚刺激などが発作の誘因になることもあります。
発作の頻度は月単位から年単位です。
検査所見は?
診断は、上記の症状の特徴に加え、脳波、MRIなどをもとに行います。
脳波:全般性の棘徐波(spike & wave)もしくは多棘徐波複合を認めます。
MRI・CT:通常、関連する病変は認めません。
治療と経過は?
バルプロ酸ナトリウムが有効で、90%以上で発作が消失します。
その他の薬として、ラモトリギン、レベチラセタム、トピラマート、ゾニサミドなどを用います。クロナゼパムを併用することもあります。
フェノバルビタール、フェニトインも有効ですが、最近では副作用の面から第一選択枝にはならなくなりました。
なお、断薬により発作が再発しやすいので、薬の減量・中止は慎重に行わなければなりません。