髄膜炎 | 福岡の脳神経外科 - はしぐち脳神経クリニック

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髄膜炎

髄膜炎とは、原因は

 

髄膜炎とは、脳脊髄液の中に感染性微生物が混入して生じる感染症の一種です。

微生物には、細菌ウイルスのほか、結核菌によるものや真菌(カビの一種)によるものなどがあります。

 

原因を完全に突き止めることは困難な場合も少なくないですが、体内に入り込んだ微生物が血流を介して、もしくは近隣の臓器から直接頭蓋内に入り込んで、脳脊髄液の中で増殖します。すると、体が反応して強い炎症が起こり、頭蓋内の圧が高まります。また、脳が刺激を受けます。これにより次に述べるような様々な症状を呈します。

 

患者さんの年齢や背景疾患、免疫抵抗力などにより、入り込みやすい菌やウイルスに傾向があります。乳幼児から青壮年、高齢者まで感染の可能性はあります。特に、中耳炎、副鼻腔炎、口の中の炎症、肺炎などの炎症のほか、糖尿病や免疫不全などの基礎疾患を持っている人が罹患しやすい傾向にあります。

 

脳神経外科手術後の髄膜炎

原因が分かりやすいケースとして、脳神経外科手術の術後が挙げられます。この場合はほぼ100%のケースで細菌の感染によるものです

手術中にごく少量の菌が頭蓋内に入り込んで、それが徐々に増大すると、数週間以内に発症します。長い手術で可能性が高くなると言われています。

ドレナージカテーテルからの感染

また、手術中にドレナージカテーテルというチューブを挿入し、術後に入れたままにすることがあるのですが、このようなケースではそのチューブを通って細菌が頭蓋内に入り込む危険性があります。その他、様々な原因で傷が閉じずに開いたままになっていると、そこから細菌が入り込みます。

経鼻経蝶形骨洞手術と髄膜炎

注意しなければならないものとして、経鼻経蝶形骨洞手術といわれる術式があります。

この術式の際には、鼻から頭蓋内にアプローチします。狭い孔の中での操作になるので、時として閉鎖が不十分になり、頭蓋内と鼻の穴とが繋がった状態になってしまい、鼻の中の細菌が頭蓋内に入り込んでしまいます。

最近は、下垂体近傍の比較的大きな病変に対して拡大蝶形骨洞手術という術式が取り入れられています。この術式だと、髄液漏の可能性が更に高まります。術後に髄液鼻漏がある方は要注意です。

 

頭部外傷後の髄膜炎

頭部外傷で頭皮が裂けたり挫滅したりして、その下の頭蓋骨に骨折があると、髄膜炎になる可能性があります。

この場合、鍵となるのは頭蓋骨を裏打ちする硬膜に損傷があるかどうかです。硬膜が傷ついていなければ骨折していても細菌が脳脊髄液の中に入り込むことはありません。硬膜の損傷はCTやMRIで確認できませんので、骨折の状況や、頭蓋内へのCTやMRIでの空気が混入した所見の有無などを参考にします。

頭蓋底と呼ばれる部分の骨に骨折があると、髄膜炎になる可能性が出てきます。頭蓋底とは文字通り脳を支えている底の部分の骨です。頭蓋底の裏には鼻腔や副鼻腔、耳と繋がっている乳突蜂巣などがあります。頭蓋底の骨が折れ、硬膜の損傷を伴っていると、髄液鼻漏髄液耳漏が生じる一方、細菌が入り込んできます。

 

症状は?

髄膜炎の主な症状は、頭痛発熱嘔吐けいれん意識障害です。

ほぼ必ず見られるのが頭痛と発熱です。激しく頭が痛み、特に振ったり揺さぶったりすると痛みが増します。髄膜炎では高熱を伴い、しばしば38℃後半~39℃を超えます。頭痛が強いと嘔気や嘔吐を伴います。

髄膜炎になると周囲が眩しく感じたり、音が響くように感じられたりするようです。

髄膜炎が悪化すると、頭蓋内の圧が高まります。圧があまりにも高くなると意識障害を引き起こすようになります。また、脳が刺激を受けるとけいれん発作を起こすことがあります。現在では少なくなりましたが、治療の効果が不十分な場合には生命の危険にさらされる可能性もあります。

その他、髄膜炎の患者さんではいつのまにか首に力が入った状態になってしまうため、診察時に首を前に曲げても曲がらず、顎が胸につきません(項部硬直)。

頭を振った際に頭痛が増悪することをjolt accentrationを呼び、髄膜炎の方では大抵認められますが、これが認められても髄膜炎とは限りませんので注意が必要です。

 

 

検査は?

髄膜炎を疑ったら、血液検査と脳脊髄液の検査(髄液検査)を行います。

 

腰椎穿刺・髄液検査

髄液は、腰椎穿刺で採取します。腰椎穿刺とは、患者さんに横向きに寝てもらった状態で、背中の正中部分の腰のあたりから長細い針を挿入する検査です。

通常、頭蓋内の圧は10-18cmH20程度ですが、髄膜炎では20cmH20以上に高まっています。また、脳脊髄液はもともと無色透明の液体ですが、感染があると白濁していたりします。

髄液所見として、白血球の数が異常に増加し、脳脊髄液に含まれるブドウ糖や蛋白質、電解質の量に変化が生じます。その変化には、特徴があります。

 

表.髄膜炎による脳脊髄液の性状の変化

 

また、採取した脳脊髄液を細菌培養検査ウイルス抗原・抗体検査に提出して、感染した微生物を同定します。ただ、結果が出るまで数日から1週間かかってしまいます。また、脳脊髄液を採取する前に抗菌薬や抗ウイルス薬を使用してしまうと、検査で微生物を特定できない可能性があります。

 

血液検査では

血液検査では軽度~高度の炎症の所見のみで、特異的な所見は見られないかもしれません。

 

CTとMRI

その他、髄膜炎では通常、CTやMRIで特異的な異常を確認できないものですが、他の病気の可能性を排除するために実施します。先に書いた腰椎穿刺検査は、頭蓋内に大きな病変があった場合には禁忌になることがあるので、CTやMRIは腰椎穿刺の前に行うべきものです。なお、重度の髄膜炎に伴って二次的に水頭症を併発することがあります。その場合には、CTやMRIでは脳室が拡大しているのがわかります。

 

治療は?

抗菌薬や抗ウイルス薬

感染した微生物に対して効果のある抗菌剤(抗生物質)や抗ウイルス剤を使用することが最も重要な治療となります。ただし前述のように、感染した微生物を特定できるまでには数日以上を要します。またこうした検査で微生物が確認できるとは限らないので、治療を見切り発車するしかありません。その他、抗生物質の種類によっては血液から脳脊髄液への移行性が悪く、抗菌効果が強くても十分な濃度に達しないために効果が弱いものもあります。

基本的には、患者さんの年齢や社会背景、基礎疾患、脳脊髄液の性状から感染した微生物を推定して、最も可能性のある抗菌剤や抗ウイルス剤の投与を開始します。数日以上使用して、効果がなさそうな場合や、検査の結果同定された微生物が見当はずれの場合には他の薬剤に変更します。

ウイルス性髄膜炎の場合、開発されている抗ウイルス剤の種類は限られています。実際に使用できる抗ウイルス剤はヘルペスや水痘・帯状疱疹ウイルスに対するアシクロビルなど一部のものです。

 

その他の治療

その他の薬として、髄膜炎になると頭蓋内の圧が高まりますので、圧を下げる薬(グリセオールやマンニトール)を使用します。圧を下げるには、ステロイドも有用ですので、しばしば用いられます。ステロイドには、炎症を抑える効果もあります。

上述のように、髄膜炎が悪化するとけいれんを起こす可能性があるので、予防的に抗けいれん薬を使用します。

なお、重度の炎症で血圧が下がったり意識障害になったりすると、こうした状態に対する対症療法を並行して行います。

 

経過は?

最近は抗菌剤が発達しているため、迅速に治療を行うことでほとんどの人が回復します。ただ、免疫力の弱い人、特に乳幼児や高齢者では時として後遺障害を残したり死亡したりすることもあります。後遺症が残ると、意識障害、精神障害、麻痺などが出たり、けいれん発作を起こすようになったりします。

 

その他(水頭症・感染症など)


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