てんかん発作時の介助はどうしたらいい? | 福岡の脳神経外科 - はしぐち脳神経クリニック

てんかん発作時の介助はどうしたらいい?

What should I do to help with an epileptic seizure?

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てんかん発作時の介助はどうしたらいい?

  • 2022年5月5日

てんかん発作が起きたときに大切なこと

 

てんかんの発作は、いつも突然起こります。てんかん発作を見たことがない人は、初めて発作を見るとびっくりすることでしょう。

しかし、てんかんは多くの場合には数分以内に自然と止まり、発作により後遺症が残ったり生命の危険にさらされることは滅多にないものです。

てんかん発作に遭遇したときは、

① 落ち着いて、周りに助けを求めること。

② 身の回りの安全を確保すること。

③ 発作の様子を観察・記録すること。

です。

発作を止めようと、体を押さえつけたり、ゆすったり、大声で呼びかけたりしても、発作は止まるものではありません。

 

落ち着いて、周りに助けを求める

 

発作時の対応として、後述の「身の安全の確保」や「発作の観察・記録」のためには、複数の人で対応したほうが楽です。また、一人で対応すると、緊張や戸惑い、焦りから適切な判断ができないかもしれません。不安を感じたらまずは周りにいる人に助けを求めましょう。

なお、多くの発作は数分以内に止まるため、特別な処置は不要なことが多いです。慌てて救急車を呼ぶ必要はありません。

 

身の回りの安全を確保する

 

発作はどんな場所でも起こり得ます。

火を使った作業中であれば、まずは火傷しないように消すなり遠ざけるなりしましょう。刃物などの道具を持った作業中の発作では、これらを遠ざけましょう。入浴中の発作では水を抜いたり抱きかかえたりして、溺れないようにする必要があります。

きつめの衣服を着ている場合は、襟やベルトを緩めましょう。眼鏡などは取り外しましょう。

一方、発作中に口の中にタオルやスプーンなどを突っ込むと、歯が折れたり、場合によっては窒息したりして大変危険ですので、絶対にやめましょう。

 

発作の様子を観察・記録する

 

てんかんの発作の様子を詳細に観察・記録することは、てんかんの診断にとってとても重要です。

てんかんの発作中は、本人は意識がはっきりしないことが多く、自分では発作の症状を知ることは難しいものです。

介助する人の観察・記録がとても重要な判断材料になります。

 

意識:意識はあったか、なかったか。呼びかけに反応があったか。

:目は開いていたか。目はどちらを向いていたか。

:もぐもぐしていたか。言葉はあったか。食いしばっていたか。

首・頭:どちらを向いていたか。

手や足:動かしていたか。突っ張っていたか。がくがくしていたか。左右差はあったか。

 

こうしたことを観察し、発作の様子をありのままに順を追って記録しておきましょう。

また、スマホが普及している現代においては、発作の様子をスマホの動画機能を用いて録画することもお勧めです。動画を記録する際には、顔だけではなく、全身が映るように撮影しましょう。

 

発作後の状態の観察項目

  • ☐ 手足の麻痺がないか。
  • ☐ 外傷がないか。
  • ☐ 頭痛がないか。
  • ☐ 言語障害がないか。
  • ☐ 眠り込んだりしたか。

その他、発作が終わった後にもうろうとした状態が続くことがあります。普段と同じ状態に戻るまでは観察を続けましょう。ぼんやりとしているときに水を飲ませると、窒息やおう吐の原因になるので、避けましょう。

 

発作を起こした時間帯や状況についても記録しましょう。

  • ☐ 睡眠中か、覚醒中か。
  • ☐ 何時ごろか。
  • ☐ 何をしていた時か(入浴中、食事中、団らん中など)。
  • ☐ 発作時間は何秒もしくは何分くらいか。
  • ☐ 過呼吸がなかったか。
  • ☐ 睡眠不足、疲労、生理などの有無。

 

緊急を要する場合は

 

大抵のてんかん発作は5分以内に自然と止まるので、過度な心配は不要です。一方、全身性のけいれんが5分以上続く場合や、意識が戻らない場合、全身性のけいれんを繰り返す場合などには、緊急処置が必要な場合もあります。

このような場合には救急車を呼んで医療機関に運んでもらうことを検討しましょう。

 

発作のタイプ別の具体的な介助方法

 

てんかんの発作は大きく、「焦点発作」と「全般発作」に分かれます。

焦点発作は、脳の一部分から異常な電気的興奮が起こる発作です。一方の全般発作は、脳の全体に異常な電気活動が起こる発作です。

主な「焦点発作」と「全般発作」の対処法について記載します。

 

強直間代発作(全般発作)

 

全身が痙攣したり、硬直したりする発作です。見た目が派手なので焦ってしまうかもしれませんが、冷静に対処しましょう。

まずは、身の安全を確保します。高い場所・道路・駅のホームなど、危険な場所で発作が生じた場合には、まず本人の身の安全を確保します。衣服のボタンやベルトは緩め、眼鏡などを身に着けている場合には外しましょう。

発作の様子を観察・記録します。余裕があればスマホを用いて全身が映るように動画撮影しましょう。

けいれんが収まったら、誤嚥や窒息を防ぐために顔や体を横に向けて、意識が回復するまで観察します。

全身けいれんが5分以上続く場合には、救急車を呼びましょう。

 

意識減損発作(複雑部分発作、焦点発作)

 

意識がうつろな状態となり、本人の意思による動作が止まり、無意識にいろいろな行動を取る発作です。落ち着かない様子で体の全体や一部を動かし、口をもぐもぐとしたり、手を動かしたりします。行動には目的があるようで、実は目的のない動き(自動症)を伴うこともあります。

無理に行動を制限すると、過剰に反応したり、抵抗したりして、かえって危険を伴うこともあります。

介助者はその場に付き添い、周囲に危険なものがあれば排除して、見守りましょう。

発作中に意識がないのかどうかを確認するために、呼びかけたり、簡単な質問をしてみるのもよいでしょう。

 

転倒発作

 

発作により、急に崩れるように倒れるため、危険な発作です。

発作の際には、手をついたり障害物を避けたりできないので、怪我を招きやすいです。

以下のようなポイントを観察しましょう。

  • ☐ 倒れ方が急激だったか、ゆっくりだったか。
  • ☐ 棒のように硬直したまま倒れたか全身の力が抜けて崩れるように倒れたか。
  • ☐ どちら向きに倒れたか。

転倒する発作を繰り返す場合には、歩行時には大変ではありますが常に付き添いましょう。

転倒の際の怪我を防ぐために、保護帽の装着、床にはカーペットを敷く、家具の角にはカバーをつけるなどの工夫もよいかもしれません。

 

 

 

院長 橋口 公章(はしぐち きみあき)
記事監修
院長 橋口 公章(はしぐち きみあき)

福岡生まれ、福岡育ち。

九州大学医学部卒業。
医学博士。

 

脳神経外科専門医、日本脳卒中学会専門医、日本てんかん学会専門医、日本定位・機能神経外科学会機能的定位脳手術技術認定、迷走神経刺激療法資格認定、日本小児神経外科学会技術認定医。

人との繋がりを大切にし、福岡および周辺地域の患者様の脳神経外科治療に尽力している。

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