成人のてんかんと、抗てんかん発作薬との上手な付き合い方
- 2026年8月14日
仕事や家事、社会活動などで忙しい毎日を送る成人の患者さんにとって、「毎日決まった時間に薬を飲み続けること」は、想像以上に大きな負担になることがあります。
朝は仕事の準備で慌ただしく、昼は仕事に追われ、夜は疲れてそのまま眠ってしまう。旅行や出張では、いつもと生活のリズムが変わる――。 「薬を飲むことくらい、きちんとできなければ」と思っていても、毎日続けることは決して簡単ではありません。
「長年発作が起きていないから、もう大丈夫なのではないか」「1回くらい飲み忘れても変わらないのでは」と思うこともあるでしょう。これは、長く治療を続けている患者さんにとって、ごく自然な気持ちです。
しかし、発作が起きていないのは、薬によって発作がうまく抑えられている結果かもしれません。抗てんかん発作薬は、患者さんを病気に縛り付けるものではなく、発作を防ぎ、自分らしい生活を守るための大切な治療です。
本コラムでは、薬を続ける意味から、飲み忘れを防ぐ工夫、生活上の注意点、医師や薬剤師への相談の仕方まで、成人のてんかんと上手に付き合っていくためのポイントを解説します。
1.薬が果たす役割:「自由と日常生活を守る安全装置」
てんかんの治療に使う薬の多くは、発作が起きたときだけ服用する「頓服薬」ではなく、毎日継続して服用することで、発作が起こりにくい状態を保つ薬です。
(1)脳の過剰な興奮を抑える
脳の神経細胞は、電気信号を使って情報を伝えています。てんかん発作では、この神経活動が一時的に異常に高まり、周囲の神経細胞にも広がることで、意識がなくなる、体がけいれんする、動作が止まるなど、さまざまな症状が起こります。
抗てんかん発作薬には、神経細胞の過剰な興奮を抑えるなど、それぞれ異なる働きがあります。薬を毎日適切に服用することで、発作が起こりにくい状態を維持します。
薬を中断したり飲み忘れたりすると、薬の効果が弱まり、発作が起こる可能性が高くなることがあります。
「今、発作が起きていないから薬が必要ない」のではなく、「薬を飲んでいるから発作が起きていないのかもしれない」。 この視点を持つことが大切です。
(2)発作のない生活を守る
発作を防ぐことは、単に発作そのものを抑えるだけではありません。仕事や家庭生活、趣味、旅行など、普段の生活を安心して続けることにもつながります。
自動車の運転については、発作の種類や発作が起きていない期間などに応じた基準が定められています。発作が再発した場合には、発作の種類や状況によって運転を控えなければならない期間が生じることがあります。運転をされる方は、主治医に必ず確認しておきましょう。
また、発作が適切にコントロールされれば、仕事、旅行、趣味、結婚や子育てなど、さまざまな生活を楽しむことができます。 「てんかんがあるから、これもできない、あれも諦めなければならない」と、最初から人生の選択肢を狭める必要はありません。
発作をできるだけ抑えながら、できるだけ普通に、あなたらしく生活する。そのために薬があります。
2.成人の日常生活に潜む「発作を起こしやすくする要因」
てんかんの発作は、薬をきちんと服用していても起こることがあります。一方で、日常生活の中には、発作を起こしやすくする要因もあります。
特に注意したいのが、薬の飲み忘れ、睡眠不足、強いストレスや疲労、過度の飲酒、発熱などです。 こうした要因が重なると、普段は発作が起きていない方でも、発作が起こりやすくなることがあります。
「薬さえ飲んでいれば大丈夫」と考えるのではなく、薬と生活の両方から発作を防ぐという意識を持つことが大切です。
(1)「もう治ったのでは?」という油断
何年間も発作が起きていないと、「もう薬を飲まなくても大丈夫なのでは」と考えてしまうことがあります。 特に、何年も発作がなく、仕事も家庭生活も問題なく過ごせていると、てんかんのこと自体を忘れてしまうほどになるかもしれません。
しかし、発作が起きていないのは、薬によって発作がうまく抑えられている結果かもしれません。 自己判断で薬を減らしたり中止したりすると、発作が再発することがあります。
一方で、長期間発作がなく、一定の条件を満たしている場合には、主治医と相談しながら薬を少しずつ減らしたり、中止を検討したりできる場合もあります。
大切なのは、「続ける」のか「やめる」のかを自己判断で決めないことです。 「もう薬はいらないかもしれない」と感じたときこそ、一度主治医に相談してください。 発作の種類やこれまでの経過、脳波などを踏まえて、治療方針を相談しましょう。
(2)精神的・身体的ストレスをため込まない
仕事上のプレッシャーや人間関係、家庭内の悩み、過労などの「ストレス」も、発作を起こしやすくする代表的な要因の一つです。
強いストレスがかかると、自律神経やホルモンのバランスが乱れて脳が過剰に興奮しやすくなります。さらに、「夜眠れなくなる」「お酒の量が増える」「うっかり薬を飲み忘れる」といった別のリスクを引き起こすきっかけ(引き金)にもなりやすいのが特徴です。
日常からストレスを完全になくすことは難しくても、
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「完璧を目指さず、適度に肩の力を抜く」
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「趣味やリラックスできる時間を意識して作る」
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「一人で抱え込まず、家族や医療者に気持ちを話してみる」
など、自分なりの休息や息抜きの方法を持っておくことが大切です。
(3)睡眠不足・疲労に注意する
睡眠不足は、てんかん発作を起こしやすくする代表的な要因の一つです。
仕事が忙しいと、睡眠時間を削ったり、休日にまとめて寝たりすることもあるでしょう。 「今週だけだから」「仕事が落ち着くまで仕方がない」と思ってしまうかもしれません。しかし、睡眠不足が続いた状態で疲労が重なると、発作が起こりやすくなることがあります。
睡眠は、単なる休息ではありません。てんかんの発作を防ぐうえでも大切な生活習慣です。 「できるだけ睡眠時間を確保する」「睡眠不足を続けない」といった、無理のない生活リズムを心がけましょう。
(4)飲酒は「量」と「その後の生活」に注意
成人では、仕事上の付き合いや会食などで、お酒を飲む機会もあるでしょう。
てんかんがあるからといって、すべての患者さんが必ず飲酒禁止というわけではありません。しかし、多量の飲酒は発作を起こしやすくすることがあり、飲酒後の睡眠不足、脱水、体調不良などが重なると、さらに注意が必要です。
また、飲酒によって夜の薬を飲み忘れたり、翌朝寝過ごして薬を飲み忘れたりすることもあります。
飲酒する場合には、量を控えめにすることに加えて、薬を飲み忘れないこと、十分な睡眠をとること、水分をとることを意識しましょう。 「お酒そのもの」だけでなく、「飲酒した後に睡眠不足になっていないか」「薬を飲み忘れていないか」まで含めて考えることがポイントです。
飲酒について不安がある場合や、発作が十分にコントロールされていない場合には、主治医に相談してください。
(5)「いくつかの要因が重なる」ことに注意
てんかん発作は、一つの原因だけで起こるとは限りません。
例えば、
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強いストレス + 睡眠不足 + 飲酒 + 薬の飲み忘れ
のように、いくつかの要因が重なると、発作が起こりやすくなる可能性があります。
だからこそ、日常生活では「何か一つを完璧に守る」ことよりも、ストレスケア、睡眠、服薬、飲酒、体調管理を無理なく整えることが大切です。
「昨日あまり眠れなかった」「薬を飲み忘れた」「強いストレスが続いている」など、発作が起こりやすい条件が重なっていると感じたときは、運転や高所での作業など、発作が起きた場合に危険を伴う行動には特に注意しましょう。
3.「頑張る」より「忘れにくい仕組み」を作る
毎日薬をきちんと飲むことは、意志の強さだけで解決できる問題ではありません。
仕事が忙しい、生活時間が不規則、旅行や出張が多いなど、人によって飲み忘れやすい場面は異なります。 「自分は薬を忘れやすいからダメだ」と自分を責める必要はありません。 大切なのは、「忘れないように頑張る」のではなく、できるだけ自然に薬を飲める仕組みを作ることです。
(1)毎日の習慣とセットにする
「朝食を食べる」「歯を磨く」「寝る前に洗顔する」など、毎日ほぼ必ず行う行動と服薬をセットにすると、飲み忘れを減らしやすくなります。
例えば、
- 「朝食を食べたら薬を飲む」
- 「寝る前の歯磨きが終わったら薬を飲む」
というように、自分に合ったルールを決めてみましょう。 ただし、薬によっては食事との関係に注意が必要な場合もあるため、服用方法については医師や薬剤師の指示に従ってください。
(2)「飲んだかどうか」を確認できるようにする
服薬で意外と多いのが、「飲み忘れた」だけでなく、「飲んだかどうか分からない」というケースです。
曜日や時間帯ごとに分けられたピルケースや服薬カレンダーを使うと、飲んだかどうかを目で確認できます。 スマートフォンのリマインダーや服薬管理アプリを利用するのもよい方法です。外出先で音を出しにくい場合には、スマートウォッチの振動通知も役立ちます。
記憶に頼るのではなく、「確認できる仕組み」を作ることがポイントです。
(3)外出・旅行のときこそ「予備」を準備する
外出や旅行では、普段と生活リズムが変わるため、服薬を忘れやすくなります。
薬は必要な日数分だけでなく、予備を含めて持ち歩くようにしましょう。特に旅行や出張では、予定変更や交通機関の遅れなども考えて、余裕を持って準備しておくと安心です。
薬をバッグやスーツケースに入れたままにせず、必要な時間にすぐ取り出せるようにしておくことも、飲み忘れ防止につながります。 「旅行先で薬が足りなくなった」という事態を避けるためにも、出発前に薬の数を確認しておきましょう。
(4)薬そのものを「続けやすい形」にできないか相談する
「薬を飲むこと自体が負担」という場合には、生活に合わせて処方を見直せることがあります。
薬の種類によっては、1日1回など、服用回数を少なくできる場合があります。また、複数の薬を服用している場合には、一包化によって1回分を一つの袋にまとめ、管理しやすくできることもあります。
「昼の薬だけどうしても忘れてしまう」「仕事中は薬を持ち歩きにくい」など、具体的な困りごとを主治医や薬剤師に伝えてみましょう。 「薬を飲めない自分を変える」だけが解決策ではありません。薬の飲み方を生活に合わせて工夫するという方法もあります。
(5)「なぜ忘れるのか」を見つける
飲み忘れには、人それぞれパターンがあります。
- 朝は忙しくて忘れる
- 仕事中は薬を飲む時間がない
- 外出すると薬を持っていくのを忘れる
- 夜は疲れてそのまま寝てしまう
- 旅行や休日だけ忘れる
このように原因が分かれば、対策も立てやすくなります。
例えば、朝に忘れる人は朝食や歯磨きとのセット化、外出時に忘れる人はバッグに予備を入れておく、夜に忘れる人はスマートフォンのアラームを利用するなど、「自分が忘れやすい場面」に合わせて仕組みを作ることがポイントです。
飲み忘れは「意志が弱いから」ではなく、「仕組みが生活に合っていないから」起こっている場合もあります。
(6)一人で完璧に管理する必要はありません
服薬管理をすべて自分一人で行わなければならないわけではありません。
家族やパートナーに声をかけてもらったり、必要に応じて服薬管理を手伝ってもらったりすることも有効です。 「自分でできないから人に頼る」のではありません。 治療を長く続けるために、利用できるサポートを上手に使うことも立派な服薬管理です。
大切なのは、薬を飲むことを毎日の「努力」にしないことです。生活の中に自然に組み込める方法を見つけることで、無理なく長く治療を続けやすくなります。
4.診察室を「生活に合った治療を考える場」にする
てんかんの治療では、「薬をきちんと飲めているか」だけでなく、その薬を無理なく続けられているかも大切です。
「飲み忘れてしまったことを話すと、医師に叱られるのではないか」と心配して、実際よりもきちんと飲めているように伝えてしまう方もいます。 しかし、飲み忘れや副作用、生活上の困りごとは、治療をより良くするための重要な情報です。 飲み忘れたことを隠す必要はありません。遠慮せずに伝えてください。
(1)「薬が効かない」のか「きちんと飲めていない」のか
例えば、発作が起きたときに、実際には薬を何度か飲み忘れていたにもかかわらず、「毎日きちんと飲んでいます」と伝えたとします。
医師は「現在の薬では発作を十分に抑えられていない」と判断し、薬を増量したり、別の薬を追加したりすることがあります。 その結果、眠気やふらつきなどの副作用が増えたり、薬の種類や服用回数が増えて、さらに服薬が難しくなったりする可能性があります。
もちろん、実際に薬の効果が不十分で増量や薬剤変更が必要な場合もあります。 しかし、「薬を飲めていたのか」「飲めなかった理由は何だったのか」を正確に伝えることが、適切な治療を選ぶための大切な手がかりになります。
「何回忘れたか」よりも、「なぜ忘れたのか」を含めて正直に伝えることが、治療改善につながります。
(2)副作用も「我慢するもの」ではありません
抗てんかん発作薬では、眠気、ふらつき、めまい、集中力の低下などが問題になることがあります。
「発作を防ぐためだから仕方がない」と我慢している方もいますが、仕事や運転、家事などに支障が出るほどの副作用がある場合は、ぜひ主治医に相談してください。
薬の種類や量、服用する時間を調整したり、別の薬に変更したりすることで、症状が改善する場合があります。 発作が止まっていることはもちろん大切ですが、「発作は止まっているけれど、薬のために生活がつらい」という状態も、治療を見直す大切なサインです。
(3)生活上の困りごとを具体的に伝える
診察では、「薬が飲みにくい」という一言だけでなく、どこで困っているのかを具体的に伝えると、より適切な対策を考えやすくなります。
- 「仕事のシフト上、昼の薬を飲むのが難しい」
- 「朝に薬を飲むと、日中の眠気が気になる」
- 「夜は疲れて寝てしまい、薬を忘れることがある」
- 「出張や旅行のときに飲み忘れやすい」
- 「今月は数回、薬を飲み忘れた」
このような情報を伝えてください。 薬の種類によっては、服用回数を減らしたり、服用する時間を調整したり、別の薬に変更したりできる場合があります。また、一包化など、薬の管理方法を工夫できることもあります。
「薬を飲めない」という訴えの中には、治療をもっと自分の生活に合わせられるヒントが隠れていることがあります。
(4)医師や薬剤師は「叱る人」ではなく「相談相手」
てんかんの治療は、処方された薬を患者さんが一方的に守るだけのものではありません。 「発作を防ぎながら、できるだけ無理なく普段の生活を送るにはどうすればよいか」を、患者さんと医療者が一緒に考えていくことが大切です。
飲み忘れ、副作用、仕事や運転、旅行、飲酒、妊娠・出産など、気になることがあれば遠慮なく相談してください。 「こんなことを言ったら怒られるかもしれない」と思うようなことほど、実は治療を見直すための大切な情報かもしれません。
5.ライフステージに応じて治療を見直す
てんかんの治療は、年齢や生活環境、仕事、妊娠・出産などによって、必要な配慮が変わります。 「今まで問題なく薬を飲めていたから、これからも同じでよい」とは限りません。
生活が変わったら、薬についても一度立ち止まって考えてみる。 それも、てんかんと上手に付き合っていくための大切な方法です。
(1)妊娠・出産を考えている方へ
妊娠を希望される場合には、妊娠する前から主治医に相談することが大切です。
妊娠中は、発作をしっかり抑えることと、胎児への薬の影響をできるだけ少なくすることの両方を考える必要があります。 抗てんかん発作薬には、妊娠中の使用について特に慎重な判断が必要なものもあります。そのため、妊娠を希望する段階で、薬の種類や量、必要に応じた葉酸の補給などについて主治医と相談し、治療方針をあらかじめ整えていきます。
特に大切なのは、妊娠したからといって自己判断で薬を中止しないことです。 薬を急に中止すると発作が再発する可能性があり、強い発作や転倒などによって、母体だけでなく胎児にも危険が及ぶことがあります。
妊娠を希望している方、妊娠の可能性がある方、妊娠が分かった方は、できるだけ早く主治医に相談してください。
(2)他の病院の薬も一緒に確認する
年齢とともに、高血圧、糖尿病、脂質異常症など、他の病気の治療薬が増えることがあります。
薬の種類が増えると、薬同士の作用によって、抗てんかん発作薬の効果が弱くなったり、反対に副作用が出やすくなったりすることがあります。 そのため、他の医療機関を受診するときにも、てんかんの薬を服用していることを必ず伝えましょう。
お薬手帳を一冊にまとめ、病院や薬局を受診する際に提示することも大切です。市販薬やサプリメントを使用するときも、気になる場合には薬剤師や主治医に確認してください。
(3)生活が変わったら、治療も相談する
転職、勤務時間の変更、夜勤、結婚、妊娠・出産、引っ越しなど、生活が大きく変わると、これまで問題なく続けられていた服薬が難しくなることがあります。
「生活が変わったから薬を飲めなくなった」と考えるのではなく、 「生活が変わったので、治療をどう合わせるか」 を主治医と一緒に考えてみましょう。
治療の目的は、薬を完璧に飲み続けることそのものではありません。 発作をできるだけ防ぎながら、その人らしい生活を続けられる治療を選ぶこと。 それが、てんかん治療の大切な目標です。
6.万が一、薬を飲み忘れたら
「しまった、薬を飲み忘れた」。 そんなとき、慌てて2回分をまとめて飲みたくなるかもしれません。
しかし、薬を飲み忘れたときの対応は、薬の種類、服用回数、次の服用までの時間などによって異なります。 自己判断で「忘れた分を含めて2回分を一度に飲む」ことは避け、あらかじめ主治医や薬剤師から指示されているルールに従ってください。
薬や患者さんの状態によっては、「気づいた時点ですぐに服用する」「次の服用まで待つ」など、対応が異なります。 そのため、いざというときに慌てないよう、普段の診察時に「この薬を飲み忘れたときはどうすればよいか」を主治医や薬剤師にあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
また、飲み忘れによって発作が起こった場合には、いつ、どの程度飲み忘れたのかを主治医に伝えてください。 今後の治療や服薬方法を見直すための重要な情報になります。
おわりに:薬を「生活を守る治療パートナー」に
てんかんの薬を毎日飲んでいると、「自分は病気なのだ」と意識させられることがあるかもしれません。 毎日薬を飲むことそのものが、病気を思い出させる負担になることもあるでしょう。
しかし、薬の目的は病気を意識させることではありません。 発作を防ぎ、仕事を続け、安心して生活し、旅行を楽しみ、大切な人との時間を過ごす。 そのような「発作のない日常」を守るために薬があります。
完璧な服薬を目指して自分を責める必要はありません。 忘れにくい仕組みを作り、困ったときには家族や医師、薬剤師に相談する。そして、生活に合わない部分があれば、治療そのものを一緒に見直していく。
薬をきちんと飲むことは、病気に従うことではありません。 自分の生活を守るために、自分自身で治療を選び、続けていくことです。
抗てんかん発作薬は、自分らしい生活を守るための治療パートナーです。
そして、もし今、
- 「薬を飲むのが負担になっている」
- 「時々、飲み忘れてしまう」
- 「薬を飲むと眠くて困っている」
- 「仕事や旅行のときに薬の管理が難しい」
- 「何年も発作がないので、薬を減らせないだろうか」
と感じているのであれば、そのこと自体を主治医に相談してみてください。
服薬について「これくらいなら相談しなくてもいいかな」と思うことでも、実は治療を改善する大切なヒントになることがあります。 薬の飲み方、飲み忘れ、副作用、仕事や運転、妊娠・出産など、気になることがあれば、遠慮なく主治医にご相談ください。
てんかんの治療は、ただ発作を止めるだけのものではありません。 発作をできるだけ防ぎながら、仕事も、家庭も、趣味も、旅行も、これからの人生も大切にしていく。 そのために、薬と上手に付き合っていきましょう。


