脳動静脈奇形 | 福岡の脳神経外科 - はしぐち脳神経クリニック

脳動静脈奇形

Arterio-venous malformation

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脳動静脈奇形

脳動静脈奇形とは

 


動静脈奇形の脳血管造影(下は拡大したもの)

 

脳内で、動脈と静脈とが毛細血管を介さずに、直接繋がる病気です。

基本的に、生まれつきのものと考えられています。男性にやや多い傾向にあります。

 

正常の動脈は分厚い血管壁をもっており、心臓の拍動に合わせて脈打ちます。心臓を出た動脈血は勢い良く全身のすみずみまで流れていきます。

一方、静脈は薄い血管壁しか有さず、拍動しません。流れも非常に緩やかです。動脈と静脈の間には非常に細い毛細血管があり、動脈血が毛細血管に到達すると流れが遅くなります。そして、毛細血管を介して流れが緩やかになった血液が静脈へ流れ出るのです。

 

脳動静脈奇形があると、動脈と静脈が(ナイダス(上図黄矢印)と呼ばれる異常血管を介して)直接つながっている為、動脈血の勢いにブレーキがかからないままにそのまま静脈へと流れます。周囲の正常な細い血管よりも血管の抵抗が少ないため、動静脈奇形を通る血流は豊富になり、また静脈には通常考えられないような激流が流れるようになってしまいます。激しい血流は、ナイダスや動脈にも負担をかけるようになってしまいます。周囲の脳に行く血流は奪われ、静脈は激しい血流に耐えられなくなります。

 

動静脈奇形は血流が非常に豊富なので、その手前の動脈に負担がかかり、流入血管に動脈瘤が併存していることがしばしばあります。こうした動脈瘤の破裂も、くも膜下出血の原因となりえます。

 

動脈と静脈が毛細血管を介さずに繋がると何で問題になるのかについては、次のような症状を引き起こすことがあるからです。

 

症状は?

脳動静脈奇形には、無症状のものと、症状を生じてしまうものがあります。代表的なものとしては、脳出血による症状とてんかんによる症状があります。症状のうち50%が出血、20-30%がてんかん発作で、その他頭痛が15%、脳の局所の症状が5%というデータがあります。

動静脈奇形は、小さなものでは1cmにも満たないようなものもありますが、大きなものでは5cmを超えるようなものもあります。出血例には小さなものが多く、てんかん発作を起こすものには大きなものが多いと言われます。

症状を出す症例は10~40歳代に多いと言われています。

 

脳出血

動脈と静脈が直接繋がると、高い圧を持った動脈血が直接静脈に流れ込むことになります。すると、静脈壁は耐えられずに破れてしまうことがあります。そして脳出血を起こしてしまいます。出血は、小さな動静脈奇形に多いとされます。出血による症状は部位や大きさにより異なります。頭痛だとか、片麻痺感覚障害言語障害視野障害失行失認など、それぞれの患者さんにより多種多様な症状が生じえます。

 

てんかん

その他、血流は抵抗の少ない方へ流れていきますので、動静脈奇形があると正常の毛細血管から血流を奪ってしまうことになります。すると、周囲の正常脳組織が虚血に陥ってしまいます。こうなると、てんかんが生じやすくなります。

てんかんは、大きな動静脈奇形で特に起こりやすいとされます。

てんかんの症状も多様です。てんかんの症状というと、意識を失って白目を剥きながら全身がガクガクと震えるような症状を思い浮かべる方が多いと思います。ただ、こういうてんかん発作は全体の一部です。他には、片方の手や足のけいれんだったり、気分が悪くなるようなものだったり、意識がぼーっとして動作が止まるようなものかもしれません。

 

その他

動静脈奇形は血流が豊富で、周囲の正常脳組織から血流を奪ってしまうことがあります。すると、周囲の脳は虚血に陥って、局所症状(脱力発作など)を引き起こすことがあります。

 

検査は?

動静脈奇形の患者さんが発見されるきっかけは、大きく分けて2つに分かれます。これは、前述の症状と関係があります。つまり、無症候で偶然に発見されるケースと、出血やてんかんを契機に検査して見つかるケースです。

無症候の場合、何らかのきっかけで受けたCTやMRI検査で偶然に見つかります。それは、脳ドックだったり、動静脈奇形とは無関係の頭痛やめまいだったりします。

てんかんを契機に見つかる場合、発作を繰り返して病院を受診する場合や、大きな発作を起こして病院に搬送される場合などがあり得ます。

 

CT

動静脈奇形は、造影剤を使用しない単純CTでは、脳の形の一部がちょっといびつだったり、石灰化を伴っていて白くなっていたりします。

造影剤を使用すると、異常血管もしくは異常血管の塊が真っ白に描出されます。異常血管の塊を「ナイダス」と呼びます。そして、異常血管はとても血流が豊富ですので、そこに向かう動脈(流入動脈)やナイダスから出ていく静脈(導出静脈)は他の血管と比較してもとても太いものになります。

 

MRI

MRIでは、造影剤を使用しなくとも血管を確認することが出来ます。流速の早い血管は、T2強調画像で真っ黒く抜けて見えます。そして、そこそこ大きな動静脈奇形であれば、MR血管撮影(MR angiography, MRA)でも異常血管を確認することが可能です。

出血したケースはやや趣を異にします。脳出血で運ばれてきた患者さんのうち、比較的若かったり、脳の皮質(表面に近いところ)に出血していたり、高血圧がない方などの場合には、我々専門医は動静脈奇形を含む血管奇形の可能性を疑います。しばしば、動静脈奇形は小さなものだったりしますので、造影剤を使わない普通の単純CTでは見つけられない場合が殆どです。このような場合に、造影剤を使ったCTやMRI検査を行うと、動静脈奇形が見えやすくなることが多いものです。

 

脳血管造影検査

とても小さな動静脈奇形もあります。その場合、MRIや造影剤を使用したCTでもわかりません。MRIや造影CT後に明らかな異常はないが、異常がある可能性を排除できない場合には、脳血管造影検査を行います。

脳血管造影検査では小さなナイダスを見つけ出せる可能性がありますし、もし小さすぎて見つけられなくても、周囲の正常な静脈よりも異常に早く導出静脈が見えてくることがあります。脳血管造影検査では、造影剤が動脈→毛細血管→静脈へと順を追って流れていくので、撮影している20秒程度の間、動脈相→静脈相へと順序正しく血管が見えてくるのが普通です。まだ動脈相なのに静脈が見えたり(上図白矢印)したら動静脈奇形を強く疑うことになります。

その他、脳血管造影検査は動静脈奇形が明らかに存在する場合にも行うものです。それは、脳血管造影が方針決定や手術戦略を決めるためにも重要な検査だからです。脳血管造影検査では、他の検査ではわからないような比較的小さな流入動脈や導出静脈も把握することが出来ますし、また流れの動的な変化もある程度把握することが出来ます。

 

治療方針は?

治療方針については、別項(脳動静脈奇形に対する治療方針)をご覧ください。

 

予後・自然歴は?

無治療の動静脈奇形の出血率は2-3%/年程度と言われています。ひとたび出血した場合には、出血後から1年以内の再出血の可能性は6~18%、その後は徐々に低下し、再び2%程度に落ち着くとされます。

ひとたび出血した場合の死亡率は10%から、その後の経過を含めると高くて30%程度という報告があります。

 


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