脳梗塞とは | 福岡の脳神経外科 - はしぐち脳神経クリニック

脳梗塞とは

Cerebral infarction

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脳梗塞とは

脳への血流が部分的に途絶えることにより、脳の細胞の一部が壊死することを脳梗塞と呼びます。

 

原因は

主な原因は、脳の動脈が閉塞することです。

脳梗塞は、その大きさや部位により無症状のものもあれば命にかかわるような重篤な症状を引き起こすものまで様々です。

脳梗塞の重症度は、閉塞した血管の部位や大きさによって変わります。脳へ行く大元の血管(内頚動脈など)が根元で閉塞したら脳の広い範囲の脳梗塞になる可能性があり、時として意識不明になり致命的です。

内頚動脈が脳の中に入ったあと、前・中・後大脳動脈などに枝分かれします(参照:脳の解剖-動脈系-)。閉塞した血管の部位により様々な症状を出します。脳の太い動脈が閉塞した場合には重い症状が出ることがありますが、その枝の更に末梢の細い枝が詰まった場合には通常、命にかかわることはありません。

 

症状は?

脳梗塞の症状として特に多いのが運動障害麻痺です。通常は、右か左の片方の手足の麻痺になるので、これを片麻痺といいます。その他の起こりえる症状として、失語発語障害呂律不良視覚障害行動異常感覚障害めまいふらつきなどがあります。これらの症状の現れ方は、脳のどの部位に、どの程度の大きさの脳梗塞ができるかにより、異なります。

 

診断は?

脳梗塞の診断は、症状の部位、現れ方の問診と、身体診察および脳の画像検査(主にMRI)の結果に基づいて行います。

脳卒中の原因を特定するために、他の画像検査(CT・頸動脈エコー・SPECT・脳血管撮影など)や血液検査を行う場合もあります。

 

治療と予防

治療法としては、血栓を溶かす薬や血栓ができにくくする薬を用いたり、血栓を物理的に除去する処置(カテーテル治療)などがあります。症状が残る場合には、リハビリテーションを併用します。

脳梗塞の予防策、再発防止策として、危険因子(高血圧・脂質異常症・糖尿病・飲酒・喫煙など)のコントロール、血栓をできにくくする薬(抗血小板薬)の使用を行い、また場合によっては詰まりかけた動脈の血流を改善する手術またはカテーテル治療が行われます。

 

予後(経過の見通し)は?

血栓を溶かす薬(血栓溶解薬)を用いて治療する場合には、治療の開始が早いほど脳のダメージは軽くなり、回復する可能性が高くなります

脳梗塞が起こってから最初の数日間は症状の変動が大きいこともあり、病状が改善することもある一方、悪化することもあります。軽症の人、急速に改善が始まった人、若い人では、症状が完全に回復する確率が高くなります。脳梗塞になった人のうち約1割では、元の機能をほぼ完全に取り戻すことができます。

約半数の方では、一部の機能障害が残りますが、最終的には日常生活の基本的動作を自分で行えるようになります。下肢と比較して上肢の障害の方が残りやすい傾向にあります。

 一方、重症例では寝たきりになり、意思の疎通が困難になったり、死亡してしまうケースもあります。死亡率は高齢者でより高くなります。

神経障害の回復が得られるのは主に発症から半年程度であり、発症から1年が経過して残っている障害の大半は、永続的なものとなります。

脳卒中から回復した人のうち1/4は、5年以内に脳卒中が再発します。脳卒中が再発すると経過が悪く、より大きな機能障害が残ってしまいます。